CHAPTER−52

ゴローの話しによると、このセントーサ島は結構面白いらしい。
なんでも目からビームを出し、口から煙を吐くマーライオンがいるんだとか…
とにかく見て損はない、ということでオカとカガはこうして来たわけだ。
ガイドブックを見ると、いろんなアトラクションがあったりする。
でも時間的に余裕のない俺たちは、回って見るほどの時間もないだろうが…

バス停からかなり歩いてから入り口らしきものを見つけた。
そしてその先には…なんとドでかいマーライオンがいるではないか!
「あれやな!噂のビームマーライオンは!」
オカとカガは一直線にその方向へ向かう。

ここでは噴水ショーが見れるのだが、それまでに少し時間がある。
だから真正面のマーライオンに上ることにした。
確か少しのお金が必要だったはずだが、いくらか忘れた。
(実はこの時、ふたりともほとんど金が残っていなかった…)
なけなしの金を払ってマーライオンの中に突入。
中にはエレベーターがあって、上に登ると展望台になっているらしい。
オカとカガがエレベーターから出るとそこにはモニターがあった。
「マーライオン物語」みたいな、短い映画みたいのをやってた。
本当ならこれもじっくり見たいところだが、ふたりは泣く泣く先を急ぐ。
突如視界が開け、眼前に美しい夜景が飛び込んできた。
「おゎお〜!キレイやな〜!」
そこはマーライオンの頭のてっぺんだった。
それはそれは美しい夜景。
見とれるふたり。
パシャパシャと写真を撮りまくる。
だがすぐ素に戻って、降りる準備をする。
なんとせわしない…ふたりはさすがに時間のなさを恨んだ。

そこから降りると、今度はマーライオンの口にでた。
目の前にマーライオンの牙がある。
一応そこの前でも写真を撮る。
完全におのぼりさん状態。

「さぁ、そろそろショーが始まる時間やで!」
ふたりは猛ダッシュでマーライオン展望台から降り、噴水広場へと向かった。
早くもたくさんの客が席を確保している。
もちろんふたりは立ち見だった。

重厚な音楽が流れ、目の前に水の柱が吹き上がった。
「いよいよショーのはじまり〜」
そのショーはなかなか凝っていて面白かった。
でももっと英語がわかれば楽しかったのに…って感じ。
しかし一番笑ったのは、ホンマにマーライオンが目からビームを出してたこと。
(イメージ図)
あれにはオカもカガも大爆笑!
「マーライオンってあんなに強かったんや!」

ショーも終盤に差し掛かったころ、オカとカガはバス停へと向かった。
そう、俺たちには時間がない。
「ショーを最後まで見てたらたぶん飛行機に乗り遅れるわ…」
ふたりは来た道を反対に歩いてバス停に戻った。
どうやらまだバスは来ていないらしい。
とりあえず乗り場だけ確認して、ベンチに座って待つことに。

しかし誤算だった…
待てども待てどもバスは来ない。
「おいおい、せっかく余裕を持ってバス停に来たのに意味ないやん」
周りの客もイライラしてるのが分かる。
かれこれ20分以上も待ってるから当然か。
このままバスが来なかったら帰国できん。
ふたりはにわかに焦り始めていた。
そしてまだまだバスはまだ来ない…

 

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