CHAPTER−14
ようやく見つけたチェックインカウンター。
いっぱいありすぎてどれか分からんかった。
大きな荷物を背負い、カウンターの前まで来た。
しかしよく考えたら俺ら荷物の安全チェックしてなかったことを思い出した。
イリコとゴローとカガは荷物を金属探知機みたいな機械に通した。
オカは持ち込む荷物だけやから見てるだけ。
そして改めてカウンターへと向かう。
そのとき、変なアジア系のおっさんが俺らに話し掛けてきた。
なんとなくチャイニーズ系の顔立ち。
言葉はかなり無茶苦茶な英語(?)だった。
「このおっさんいったい何者なん?」
それは誰にも分からなかった。
とりあえず分かったのは、このおっさんもこれからブルネイへ行くらしいこと。
自分のパスポートやチケットを一生懸命俺らに見せてくる。
なんだか仲間になりたがっているようだ。
「○△?▲☆◎□●」
でも何を言っているのか、やっぱり分からない。
おっさんはなぜか異常に荷物が多かった。
少し離れた所にあるカートには何個ものダンボールが積み重ねてある。
俺ら4人はいろいろと考えてみた。
「このおっさん、俺らをこの荷物の運び屋にしようとしてんちゃう?」
そうや、そうや、きっとそうや!
もしそうなら、この中に麻薬とか武器とか入ってたりして。
そしてブルネイで終身刑とかになって一生監禁されたりして。
「やばいわ、このおっさん!」
ということで、俺らはみんなおっさんのことを無視することに。
でも依然として必要以上にまとわりついてくる。
それを無視して4人がチェックインしようとしたら、なんと自分のパスポートを差し出し、
カウンターの女の人に「仲間だ!仲間だ!」らしきことを訴えているではないか。
怪しげな視線で見つめるカウンターの女性。
4人は「NO!NO!」と拒否る。
結局そのおっさんは俺らに見限られ、また別の人物を物色しに出かけた。
やっぱ俺らの予想は当たってたんやで。
きっと荷物運ばそうとしてたんやわ。
そんなこんながありつつ、とりあえず出国手続きを済ませ、出発ゲートへと向かう。
バンダルスリブガワン(ブルネイの首都)行きの待合室は少し雰囲気が違っていた。
まわりの客層が明らかに違う。
黒いインド系、怪しげなチャイニーズ系、そんな人たちはいっぱいいたが、
見慣れた白人系や日本人らしき姿は一切見ることが出来ない。
「あぁ、やっぱ結構珍しいところへ行くんやな、俺らって」と妙に納得した。
搭乗前に渡された入国カードを記入し、出発を待つ。
しばらくすると呼び出しがあり、搭乗が始まった。
そして4人は飛行機へと乗り込む。
さぁいよいよ目的のブルネイが近づいてきた。
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