CHAPTER−15

関空からシンガポールまでの飛行機はすごくよかった。
自分が今まで乗った飛行機の中で一番いいぐらい。
だから今回も期待してた。
なのに・・・なのに・・・

機内は狭い。
まぁ、それはエコノミーやから仕方がない。
でも期待してた目の前の液晶テレビがないではないか!
これでは「パネルでポン」が出来ひんやんけ!
しかしウダウダ言った所でどうにもならん。
やっぱあれば日本路線仕様なんやな、と思った。

中はいたって普通。
ま、逆に液晶テレビがないことでゆっくり寝れるだろうと自分を納得させた。
でも昨日の晩は遅くて、今朝はメチャ早かったから、寝る時間も本当に必要だった。
「ブルネイまでは寝るか!」
と、自分も心を決めていた。

いざ飛行機が動き始める。
そして大きな音を立てて機体は浮かび上がった。
無事高高度で安定飛行に入り機内も落ち着いた。
さぁ寝よう、と思った。
しかし案の定、機内食のサービスがあった。
そんなにおなかは空いてなかったけど、とりあえずもらえるもんはもらわんと。

スチュワーデスさんが回ってきた。
当然「チキン オア ビーフ?」とか聞いてくるもんやと思ってたのに、
空港で会ったおっさんよろしく、まったく何を言っているか分からんかった。
スチュワーデスなので英語なのは確かだが・・・
なんか「ケイク、ケイク」と言っている。
これはデザートの「ケーキ」のことを言っているのかと思って、
「それくれ!」と身振りで伝えた。

そしたら出てきたのは、なんかよう分からん変な料理だった。
みるからにまずそう。
確かにパテ状のへんな「おかず」がついていた。
たぶんこれが「ケイク」の正体であろう。(下記参照↓)

「おえっ・・・」
食ってもまずい。
明らかに失敗や。
隣のカガも同じもんを食ってる。
しかしカガは割とうまそうに食っているではないか。
「やっぱこいつ味覚おかしいわ」
心からそう思った。

 

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