CHAPTER−2
電車に乗り込んでしばらくは満席状態で、座れる余裕はなかった。
「朝っぱらからえらい混んでんなぁ」
でもよくよく考えれば当たり前か。
なんせゴールデンウィーク真っ只中やもんな。
だが しばらくすると電車もすいてきたので、二人は頃合を見計らって席についた。
しかしさすがに「関空快速」だけあって、旅行客が多い。
やたらでかいカバンやスーツケースを携えた団体が多い。
通路を挟んで隣に座っていた4人グループも海外へ旅立つらしい。
「今日の晩はナイトサファリ行くやろ!?」
そんな会話が聞こえてきて、オカとカガは目を見合わせた。
どうやらこのグループもシンガポールへと旅立つらしい。
となると、こいつらも同じ飛行機に乗るわけだ。
そう思うと、少しだけ親近感を感じた。
関空が近づいてくると車両が前と後に切断された。
後半分は和歌山に行くらしい。
何も知らずに乗ってたら、もしかしたら俺らも和歌山に行ってしまったかも。
でも、この肝心なときにそんなヘマをするヤツなんかおらんよな、とも思う。
電車はいよいよ海の上の橋を渡り、関空に到着。
いざシンガポール航空の発券場所へと向かう。 |