TRAVEL DIARY
 

CHAPTER−8

4人はバスに乗って街中へ繰り出すことにした。
イリコとゴローはもちろん勝手知ったる雰囲気でバス停へと急ぐ。
カガもつい最近シンガポールへ来たばかりなので、何かと現地のことは詳しい。
バスに乗ってもお金の払い方がわからない。
見よう見真似で金を出す。
しかも両替したばっかりで小銭なんて持ってねぇよ!
旅の最初は何かと不安が付きまとうものだ。
今回も例外なく「ファースト・ジャーニー・ブルー」にかかったわけだ。
(ちなみにこれは完全なる造語であり、他の所で使っても通じないので、あしからず)
オカは、そんな3人に対して少しだけ置いてけぼりにされた気分を味わった。

バスは勢いよく走り出した。
なぜか運転が異常に荒っぽい。
つかまってないとコケそうになる。
しかもクラクション鳴らしまくりで、かなりアグレッシブだ。

イリコとゴローは通路を挟んで隣に座っていた西洋人の旅行者に道を聞かれていた。
どうも彼女もシンガポールのことはよくわからないらしい。
地球の歩き方を取りだし、イリコは一生懸命英語で説明していた。
そんなイリコを見ていて心強くなった。
「あれだけ英語話せるやつがいれば、何があっても大丈夫やろ」と思った。

バスに乗っている間にも、みるみる日が沈んで行く。
目的地に着く頃にはあたりは真っ暗になっていた。
しかしかなりの時間バスに乗っていたものだ。
シンガポールは淡路島ぐらいの大きさと聞いていたのでちょっと意外だった。
これはひとりで来なくて正解だった。
しかもガイドブックも何も持ってない無準備ぶりやし。

バスから降りると何とも栄えた街だった。
見渡す限りの高層ビル。
何かザックを背負っている自分が場違いな気になってきた。
やっぱ他のアジアとは違うね。
違うところと言えば、ゴミが落ちてないことと、やけに気温が高いことぐらいだ。
そういえばゴローの肌は日焼けで真っ赤になっている。

しばらく歩いて宿に到着。
イリコとゴローに宿を確保してもらっていたので助かった。
しかしこの大都会シンガポールで安宿なんかあるんやろか?と不安になっていたが探せばあるもんやね。
いくつかの道路をまたぎグネグネ進むと、さびれた怪しげなビルが建っていた。
そこが今日の宿だという。
宿泊代は19ドル(だったと思う)。
なんちゅう安さや!
てっきり高級ホテルしかないと思ってたのに。
イリコとゴローの話では部屋もかなりきれいだという。
いやがうえにも期待が高まる。

4人はさっそくエレベーターを上り、部屋へと向かう。
カギを開けて中を除きこむ。
「おぉ、せまっ!!」思わず口に出てしまった。
狭かった。しかも暑い。
でもちゃんとクーラーはあるから夜は寝れるらしい。
4人で泊まるにしては少し狭いと思うが、エキストラベッドを入れたらバッチグーとのこと。
こうして旅の第一泊目、シンガポールの夜が始まった。

 

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