CHAPTER−24 
      4人はビルの外に出て両替所を探した。 
        幸いにも目の前に銀行らしきものがあり、そこに入ってみることに。 
        オカは少しだけシンガポールドルに余裕があったので今回は両替しないことに。 
        他の3人は窓口へと向かった。 
      ちょうどその銀行(?)では何かのイベントをやっていた。 
        室内には数多くのバルーンが浮かび、アップテンポな音楽が流れている。 
        大人や子供が集まり、ひと時のパーティーを楽しんでいるようだ。 
        「しかしこれほんま銀行なんか?」 
        そんな疑問がよぎる。 
      カガ・ゴロー・イリコが窓口で両替にチャレンジしている間、オカは室内をぶらついた。 
        その時ひげをはやしたいかにもブルネイ人っぽいおっちゃんが話し掛けてきた。 
        「これいるか?」 
        そう言いながらおっちゃんは分厚いハードカバーの本を差し出した。 
        「なんやこれ?」 
        差し出されたその本はかなり大判の本で、まるで写真集のよう。 
        しかし中を覗いてみると写真はほとんどなく、英語で文章が書かれてある。 
           
        どうもブルネイの歴史とかについて触れた本らしい。 
        「これってお金いんのかな?」と思っていたら、おっちゃんはそのまま去っていった。 
        どうやらホンマにくれたらしい。 
        「ラッキー!」と思いつつも、結構重いしどないして持って帰ろ…と不安になった。 
      そうこうしつつカガ・ゴロー・イリコが戻ってきた。 
        3人はオカが持っている妙な本を不思議な表情で見つめていた。 
        「ここでは両替できんかった」 
        両替出来んのかい!ここは銀行ちゃうんかい!って感じである。 
        もしかしたらアレは銀行じゃなかったのかも…なんて後で思ったりした。 
      しょうがないので他の場所をあたることに。 
        しばらくウロウロしているとブルネイホテルとやらが見えてきた。 
        そしてその隣には「exchange」の文字があるではないか! 
        しかもそこは結構レートがいいらしい。 
        カガ・ゴロー・イリコはこぞって金を両替する。 
        ブルネイのお金はシンガポールドルとまったく同じレートで、どちらの国でも使えるものだ。 
        だからこそ今回の旅は国によって通貨を替えなくていいので何とも楽だ。 
        ちなみにブルネイの紙幣は「紙」ではなく「プラスチック」である。 
        これは世界的に見ても珍しい(他にない?)らしい。 
        一部透明な部分があって、向こう側が透けて見える。 
      何とか両替を済ませた4人は再び旅行代理店に戻った。 
        しっかり料金を支払い、再び和代さんと雑談タイム。 
        そういえばブルネイには外してはならない遊び場所がある。 
        それが「ジェルドン・パーク」だ。 
        ここは王様が道楽で作った遊園地で夜しか開いていない。 
        しかも格安で遊べるらしい。(つい最近まで乗り物もすべてタダだった。さすが道楽。) 
        この際ついでに「ジェルドン・パーク」への行き方も教えてもらうことにした。 
        そしたら和代さんはいろんな所へ電話をかけまくってタクシーの手配までしてくれた。 
        出発時間は19時にホテル前。 
        そこにすごく「いい人」なタクシーの運転手さんが来るらしい。 
        出発までにはまだ2時間ほど余裕がある。 
        みんなはブルネイで初めての別行動タイムを取ることにした。 
        イリコはもうしばらく和代さんと話をしていくとのこと。 
        そしてオカ・カガ・ゴローは買い物をするために街へと繰り出した 
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