CHAPTER−19

町に出てまず実感したことがあった。
それは「アツイ!!」ということだった。
半端じゃなく熱い!!
とんでもなく熱い!!
日差しが肌をチクチク刺す。
まるで天然の針治療を受けているようだ。
ただ、シンガポールのように湿気が多くないので、まだ過ごしやすいとも言えるが。
それにしても、やっぱ熱すぎる。

太陽はほぼ真上にある。
そんななか4人はゆっくりと町を歩いていた。
重いザックから軽いサブザックに変わったので足取りは軽い。
しかし4人はここで気づいた。
「この町、誰も歩いてないで…」
周りを見渡すが、観光客はおろか現地人も一切外を出歩いていない。
何これ?もしかして外はおもんないってこと?
歩けど歩けど人はいない。
道を走る車だけはそれなりにいるのだが…

そうこうしていると変な形の大きな建物が見えてきた。
ホテルにあった英語のガイドブックによると何かのミュージアムらしい。
入ってみようと試みるが、どうやら閉まっているようだ。
自動ドアの前に立ってみても開く気配がない。
しかし面白いことに中でガンガンにクーラーがかかっていることだけは分かる。
自動ドアの隙間から天国のような涼しい風が漏れ出てくる。
さすが大金持ちの国だ。
とりあえず看板を見てみると、今の時間帯は無理らしい。
なんで?暑いから?
しょうがないのであきらめて再び歩き出す4人。

今度はだだっぴろい広場が見えてきた。
巨大なアーチの入り口に、奥は一面の芝生が敷き詰められている。
なんかのグラウンドのようにも見える。
芝生の端にはちゃんと客席のようなものまであった。
「でかっ!!」
妙に無駄な空間の使い方にブルネイの贅沢さが伝わってきた。
とりあえずここで写真を一枚。

その芝生の向こうには白いモスクが見える。
空の抜けるような青色とのコントラストでメチャクチャきれいに見える。
グラウンドを通ってモスクの方へと歩く。

近くへと寄ってみると、それはそれは美しかった。
真っ白な壁が目にまぶしい。
4人はここで写真を取りまくった。
しかしここで4人は重大な発見をした。
それは、どうして町に人影がなかったのか、ということ。
写真を撮っている向こう側、モスクからどんどん人があふれ出てくるではないか!
「そうか!それで人がおらんかったんや!」
湧き出るように人が連なって出てくる。

4人はさらにモスクの近くに移動し、入ってみたい衝動にかられていた。
現地人の視線が俺らにビシバシ刺さってくる。
なぜか異常にジロジロ見られている気がする。
「ん?観光客が珍しいのか?」
そんな疑問を抱えながら4人はモスクの入り口のところで、人の波が落ち着くのを待った。
その間にも見られる見られる。ほんま何でやろ?
もしかして肌を露出しまくっているイリコに敵対心を抱いているのでは…
オカは少しだけ不安になった。

 

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