CHAPTER−38

ドイツ人たちがキャノピーを登るのを少しだけ見届けてから、オレたちは戻ることにした。
一応今回のジャングルトレッキングの最深部は、このキャノピーのようだった。
あとはいわば引き返すだけ。
しんどかったけど、なかなか楽しかったな。

しかし暑い、暑い、暑い…
すでにタオルはビショビショ。
絞ったらタラタラタラ〜って汗が出てくるほど(うわッ汚ねッ…とか思わんといてください)
さすが熱帯雨林。
この湿気はさすがにキツイ。

オカはイリコに踏みつけれられた頭が少しジンジンしていた。
「ホンマあいつは、期待通りの“いらんことしぃ”やな」
カガもゴローもそれに頷く。
「ゴメンってぇ」とイリコは謝ってきたが、こいつのは心がこもってなくてムカツク。

帰り道の中間地点ぐらいに屋根とベンチのある休憩ポイントがあった。
4人はしばらくそこで休憩を取ることにした。
しかししばらくすると、屋根の上でポツポツと音が鳴り始めた。
するといきなりネイさんがスクッと立ち上がる!
「スコールが来るわ!早く行きましょう!」
そう言うなり、ネイさんは4人を急かし始めた。
「なんかホンマ熱帯雨林っぽいなぁ」と、オカはつぶやく。
そりゃ当たり前だろ、熱帯雨林やもん。

とにもかくにも傘など持っていない4人は急ぎ足で帰ることに。
途中少しだけ雨脚が強くなったが、なんとかスタート地点まで無事に辿り着くことができた。
とりあえずみんなで「おつかれ〜!」と、水で乾杯。

ネイさんが手招きしてたので行ってみると、なんとも嬉しいお昼ゴハンの時間〜ッ!
川沿いに立てられたテラスで豪華マレー料理の昼ゴハン。

「うわぁ美味そう!」
4人は揃ってツバを飲んだ。
料理は鍋の料理を覗き込む。
「海老のカレー」「野菜のカレー」「肉の煮込み」があった。
それにご飯とフルーツ(洋ナシ)。
しかもミネラルウォーターもたくさん用意してある!
汗をかきまくった4人には、何ともうれしいもてなしだ。
「いただきま〜す!」
みんなでバクバク食べ始める。
「うま〜い!!」
シャレじゃなくてマジで美味い!
「ブルネイにきて一番うまい料理かもしれん!」
4人はトレッキングの話に盛り上がりながら、美味料理をたいらげていった。
幸せのひととき…

 

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