CHAPTER−6
      飛行時間は約6時間ほどらしい。 
        映画好きとしては、やっぱり機内映画を見たいもんだ。 
        しかも今回は座席の目の前に画面があるし。 
        映画のラインナップを見る。 
        「………」 
        いいのがない… 
        見たいと思う映画が、面白いぐらいに日本語訳が付いてない。 
        これこそツイテない… 
      仕方ないからゲームをする。 
        ほんの少しだけ頑張るつもりが、予想以上に頑張ってしまった。 
        それこそ小便をする時間すら削ってでも画面に食い入るほどだった。 
        それだけ「パネルでポン」は面白かったということだ。 
        マジで燃えたね。 
      とにかく腹減ったから機内食食わしてくれ。 
        天下のシンガポール航空。 
        どんなうまい機内食が出てくるのか、胸が躍ったが、意外に普通だった。 
      今日は朝早かったからせめて機内で寝ておこうと思ったのに、予想外にゲームに熱中してしまい全然寝られず。 
        このことが、あとあとの旅に大きく影響してしまうことなど、二人は知るよしもなかった。 
      「お、陸が見えてきた。」 
        首を伸ばして無理やり窓から外を見る。 
        初シンガポール。 
        いいね。(なにが?) 
        そういえば隣に座ってるお姉ちゃんは一切しゃべらず、一切動かず、固まったまま。 
        慣れた感じで飛行機に乗ってるけど、遠距離恋愛でもしてんのかな? 
      あいかわらずカガはビールばっかり飲んでる。 
        この飲兵衛め。 
        しかもコイツもマリオにはまってる。 
        みんな一緒やな。 
      そして飛行機は次第に降下し始めた。 
        まもなく陸地が近づいてくる。 
        オカとカガは一層胸を躍らせた。 
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