CHAPTER−48

自分のチケットとパスポートをカウンターの女性受付に渡した。
はっきり言って愛想はない。
しかめっつらで応対された。
あぁ、関空のジャパニーズ受付嬢のスマイルが懐かしい…

荷物を預ける段階になって少し悩んだ。
今回の帰りの便は、行きと同じくシンガポールで一度乗り換えなければならない。
シンガポールでは数時間の余裕があるのでおそらく町に繰り出すだろう。
そうすると、荷物を全部預けると不都合があるかもしれない。
ということで、オカはシンガポールで一度荷物を出すことにした。
そしてゴローも同じくそのスタイルにした。
カガだけが荷物を関空で取り出すことになった。
このほんのちょっとした違い。
それが後で大きな差になってしまうことは、この時点では誰も知るよしはなかった。

しばらく時間があるので空港でぶらぶらすることに。
といっても空港自体が小さいので、診て回れる所はかなり限られている。
まるでキヨスクのような売店や、NIKEのシューズ専門店。
そして特産品を集めた土産物屋などしかない。
「ちょっと買い物でもすっぺ!」
3人は別行動で店を回ることにした。
でも、案の定行くところは限られているので、行くとこ行くとこみんなと会うのだが。

ただし今回すごく楽だったのは、両替の必要がなかったこと。
ブルネイのお金もシンガポールのお金も硬貨をのぞいてどちらでも使える。
だからブルネイ出発の間際になって、不必要なものまで色々買いあさる必要性がない。
でも、やっぱりその国を離れる時はいろんなものが欲しくなる。
結局オカはブルネイのロゴ入りTシャツを買った。
べたべたやけどな。

いい時間になったので出国手続きに向かった。
なんのことはない、あっという間に手続きは完了して、なんか物足りないぐらい。

待ち合いロビーでまたもしばらく時間があったので売店をのぞく。
するとブルネイ国王がモデルとなった切手を売っていたのでカガとおそろで買った。
なんかゴローは疲れてるみたいでベンチで寝てる。
オカとカガは残り少ないブルネイ滞在をむさぼるように過ごしていた。

そして時間は飛行機出発の時を迎えた。
アナウンスが流れ3人は飛行機に乗り込む。
高らかなエンジン音が響き、機体は滑走路へと頭を向けた。
急激な加速とともに背中がググッと背もたれに押される。
そして飛行機は飛び立った。
「さらばブルネイ…」
また来るよ、いつか。
あのエンパイアホテルにいつか泊まってやる!!

こうして3人は小さくなる陸地をいつまでも見ながら、楽しかったブルネイに別れを告げた。

 

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