CHAPTER−18 
      とりあえず荷物だけ部屋に置いて、さっそく下のロビーでもう一度集まることにした。 
        だがその前にオカとゴローは貴重品を置いて行くことにした。 
        今回の部屋は本当にきれいで、テレビもトイレもシャワーもある。 
        いわゆる普通のホテルの部屋ってやつだ。 
        だから当然、暗証番号で閉まる貴重品ボックスもある。 
      まずはゴローがパスポートやチケットをボックスに投げ込む。 
        そしてオカが同じく貴重品をボックスに入れた。 
        「さっさと閉めて、はよ外行こうや」 
        ふたりはもちろんそんな気分だった。 
        でも・・・ 
      貴重品ボックスのふたが閉まらない。 
        これが閉まらなければ、全然防犯にならへんやん。 
        とりあえず何度かゴローがトライするも失敗ばかり。 
        見かねたオカが「俺に貸してみ!」と、箱をいじり始める。 
        むりやり変な番号とか入力していろいろ試してみた。 
      その時だった。 
        暗証番号の電光部分がいきなりカウントダウンを始めたのだ。 
        「なんじゃこりゃ!!??」 
        なんか設定は30分後になっているようだ。 
        「おいおい、爆発するんちゃうん?」 
        少しずつ不安になるオカとゴロー。 
        「警報機とか鳴り響くんちゃうやろな・・・」 
        ますます不安になる。 
      とりあえず中の物は取り出せる状態にあったので、ふたりはそれぞれの貴重品を取り出した。 
        そして少し離れたところにあるイリコとカガの部屋に向かった。 
        そこで一緒に貴重品を預けてもらうことに。 
        こっちではちゃんと預けることができる。 
      今度はイリコとカガを連れて再びこちらの部屋に戻ってみた。 
        貴重品ボックスを見ると、やはりまだカウントダウンは進んでいる。 
        いったいこれはなんやねん? 
        疑問だけが湧きあがる。 
        「もうええわ、逃げよ!」 
        結局4人はそのままにして外に出かけることにした。 
        帰ってきたら部屋が爆発してたりして、なんて思いながら。 
      4人はロビーに集まって作戦会議。 
        さて、これからどうするか? 
        とりあえず今日は半日は自由に動ける時間がある。 
        その時間を利用して市内観光にでも出かけようか、ということに。 
        ホテルにあったさまざまな代理店のツアーパンフを集める。 
        それを持ってロビーの受付のお姉さんに問い合わせてみる。 
        「こんなとこ行きたい!!」 
        パンフの写真を指差しながら4人がかりで説明する。 
      しかし俺たちにはひとつわからないことがあった。 
        それは、「現在地はどこっ!!??」ってことだ。 
        それをお姉さんに言うとテラスホテルの載った地図をくれた。 
        「ここよ!」とお姉さんは言う。 
        えっ? 
        おいおい・・・ 
        めっちゃ中心部と遠いやん、このホテル! 
        もしかしてすごい便利の悪いホテルに当たってしまったのかも・・・ 
        4人が悲壮そうな顔をしていたら、お姉さんが話しかけてきた。 
        「この地図、端から端まで30分もあれば行けるわよ!」 
        おっ、そうか。縮尺を見ていなかった。 
        まがいなりにも全員ホステリングクラブ出身者なのに何たる失態。 
        ま、近いことがわかったからいいか。 
      そんなに近いんだったら別に市内観光のツアーなんかにも行かなくて大丈夫やろ。 
        そんな具合でとりあえず地図を持って4人は外に出ることにした。 
        町に出かけたら旅行代理店もすぐあるって言ってたし。 
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