CHAPTER−13

次の朝、意識の遠くのほうから、電子音が脳を刺激する。
次第に目が覚めてきた。
「お、もう起きる時間か・・・」と、全然足りない睡眠時間を呪った。
しかし実際にオカが時計を見てみると、まだ5時だった。
確か起床予定時刻は5時半だったような。
それが分かって、とりあえずもう一度寝ることに。
大丈夫。だって俺の携帯のアラームまだ鳴ってないもん。
そして再び床につく。
相変わらず響く電子音。
しかし今回ばかりは睡魔のほうが強かった。

しばらくして今度は聞きなれた音楽が流れ始めた。
今度こそ俺の携帯のアラームだ。
その他の目覚まし類も一斉に時を知らせ始めた。
みんながゆっくりと起き出す。
「なんかすごい早い時間に目覚まし鳴らんかった?」
ゴローは起きてすぐこう問うた。
なぜかみんなの視線がオカを見つめる。
「オレちゃうっちゅうねん!」
うん、そんなはずはない。俺のはちゃんと時間どおりに鳴ったもん。
結局その30分も早く目覚ましを鳴らしてしまったのはイリコらしかった。
どうも以前のアラーム設定がそのまま生きていたとのこと。
みんな「やっぱり・・・」という顔でイリコを見つめる。

とりあえず仕度を整え、早々に宿を後にすることに。
時間はすでに6時を回っていた。

シンガポールの朝は妙に静かだった。
しかもまだ日が昇っておらず薄暗い。
ほとんど人気もない。
そんな中、とりあえず空港行きのバス停を見つけることに。
イリコとゴローは一度オカとカガを迎えに来てたから絶対知ってると思ってたのに、
なぜだか奴等は乗り場を知らなかった。「なんでやねん!」

朝からめちゃめちゃ歩いた。とことん歩いた。
しかし歩けど歩けど、目的のバスが来る停留所がない。
バス停はいたるところにあるけど、空港行きのバスが載ってない。
次第にみんながイラついてきた。
時間も迫っている。
「そろそろヤバイんちゃうん?」
そう思ったオカは手当たり次第に歩いている現地人に声をかけた。
そうしたら有力な情報を得ることができ、ようやくバス停につくことができた。
しかしここからも長かった。
全然バスがこない。

どれだけ待っただろうか、「もうタクシー乗ろうや!」とみんなが考えていたとき、
ようやくバスが来た。「ホッ」と一安心。
しかしチェリモヤジュースを飲んでいたカガだけが少し慌てていた。
無事バスにも乗れて、空港へ。
なんとか時間どおりに着くことが出来て胸をなでおろした。

さぁ、とりあえずはチェックインせんとな。
4人はシンガポール航空のチェックインカウンターへと足を運んだ。

 

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