CHAPTER−16 
      どれくらいたっただろうか? 
        なんとなくボーッとする頭を無理やりたたき起こした。 
        窓から外を見ればなんと眼下にはボルネオ島のジャングルが広がっているではないか。 
        そろそろ憧れのブルネイが近づいているということだ。 
      結局機内ではほとんど眠れなかった。 
        ここで睡眠不足を解消できなかったのが、あとあと辛くのしかかるとも知らず…。 
      そうこうしているうちに陸地が近づいてきた。 
        ん〜、もっともっと凄く変な所かなと思っていたが、陸地を見る限り普通っぽい。 
        キキキッ!! 
        大きな振動とともに飛行機は無事にブルネイの空港に到着した。 
        機体は空港内をゆっくりと移動し、ゲートへと向かう。 
        そのとき、窓からロイヤルブルネイ航空の機体が見えた。 
        黄色を基調にしたおしゃれな柄だった。 
        なんか異国っぽい色使いで、妙に「あれに乗りたい」と思わせる飛行機だった。 
      扉が開き、いよいよブルネイの地を踏みしめる。 
        暑い!! 
        たしかに南国だけあって、機体の外へ出ると熱気が押し寄せてくる。 
        しかしシンガポールほどムシムシしていないので心地よい。 
        空港の中を歩くとクーラーがガンガンにかかっていて気持ちよかった。 
        さすが金持ちの国だけあって、光熱費も惜しみませんなぁ。 
      「金持ち」というイメージを通して見ているからかもしれないが、 
        空港内のいろんなものが高級でいいものに見えてくる。 
        たぶん気のせいだとは思うが。 
      イミグレーションで出国手続きを待つ。 
        なぜかそこで警備をしているおっちゃんは厳しい顔をしている。 
        今回の旅で感じたことだが、なぜにこうも海外のイミグレーションは無愛想なのか。 
        順番を横取りしようとしていたどっかのおっちゃんが警備員に厳しく諌められていた。 
      混んでいたので、二手に分かれて入国審査を受けることに。 
        オカとゴロー、カガとイリコの2チームに分かれて手続きを待っていた。 
        オカとゴローの隣の列には、シンガポールで会ったへんなおっさんの姿があった。 
        このおっさん、ちゃんと入国できんのかな?と思った。 
      なぜかオカとゴローの列は進み具合が悪い。 
        前の方で外国人旅行者らしき人が手続きに時間かかりすぎていた。 
        その間にもイリコとカガはどんどん進んで先に入国を済ませてしまった。 
        オカとゴローは「失敗したぁ・・・」と心の中でつぶやいていた。 
        しかし何とかふたりも入国でき、いよいよブルネイダルサラーム国に足を踏み入れた。 
        いつのまにか、あの怪しいおっさんもいなくなっていたので、多分入国できたのだろう。 
      しかし、国に入ってみると、なんか他のアジアとは雰囲気が違う。 
        現地人がガツガツしていない。 
        旅行者を狙ったバスやタクシーの呼び込みもほとんどない。 
      とりあえず今回は誰もブルネイに関する本や情報を持っていないので、 
        空港でどうすれば市街地に行けるか聞いてみた。 
        そしたらタクシーでいくのが一番とのことだった。 
        タクシーで街中まで行くのに、一回25ドル(やったような気が…)。 
        アジアで使う金にすると、結構高い。 
        さすがオイルダラーの国だ。 
        マジで物価は高いようだ。 
      とりあえず荷物をトランクに詰め込み、車に乗り込む。 
        そしておだやかそうな南国っぽいおじいちゃんの運転するタクシーで市街地へと向かった。 
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