CHAPTER−21 
      しかしボートは思ったよりはスピードを出さなかった。 
        というより結構安全運転やったりして。 
        おっちゃんはイマイチ英語が通じない。 
        ごくたまに理解できる単語があるので、それで身振り手振りの会話をする。 
        しかもなかなかいいおっちゃんで、写真を撮ろうとしたらスピードを落としてくれたりする。 
        「なんかええ人やなぁ」 
      ボートは大きくカーブを描き、川幅の広い所まで出てきた。 
        ときおり見える超豪華な建物に気を引かれつつも、おっちゃんに聞けないこの辛さ。 
        「たぶんあれが王宮ちゃう?」 
        そんなことをいいながら疾走するボートの上から景色を眺める。 
      しばらく進むと水上集落が途切れ、川と緑だけの世界になった。 
        いわゆる鬱蒼としたジャングルといった感じだ! 
        「うぉ〜、この感じええやんけ!」 
        4人は交代しながらパシャパシャと写真を撮る。 
        この際このままジャングルに突入してほしかったが、ほどなくボートは引き返した。 
      これで引き返して終わりなんかなぁ、と思っていたがそうではなかった。 
        ブルネイ国民の心の広さを4人は感じることになる。 
        ボートは一旦引き返すも、今度は別の集落へと突入した。 
        そして今度は水上にある学校やガソリンスタンドなど、多くの見所を回っていく。 
      結局どんどんボートは進んで、水上集落の端から端まですべて見て回った。 
        どれだけボートに乗っていただろうか? 
        吹き付ける風に、ヘアスタイルはまるでリーゼントのようになっていた。 
        「すげぇ、楽しい!これだけでも価値あるわぁ!」 
        みんなが口々に楽しさを口にする。 
        本当に片っ端から水上集落を堪能して、ようやくボートは出発点に戻ってきた。 
      最後におっちゃんと記念撮影パチリ。 
        ブルネイの名所「水上集落」を早々に見て回れたことに4人は大満足していた。 
      なんとも言えぬ満足感に、4人は陸上に上がってからもルンルンだった。 
        もう一度来た道を戻り、再びモスクへと戻ってきた。 
        今度こそモスクに入れるかな、と思ったがやっぱり無理みたいだった。 
        「ま、いいや。外から見ても十分きれいやし。」 
      今度は道を渡って建物の密集している地区へと移動した。 
        大きなショッピングセンター(ヤヤサンショッピングセンター)があったので入ってみる。 
        そういえばみんな腹が減っていた。 
        そろそろ飯も食わねばならぬ。 
        ちょうどそこにはデパートの軽食コーナーのような場所があった。 
        そこで一休憩入れることに。 
        とにかく暑くて喉がかわく。 
        だから一刻も早く飲み物を飲みたい! 
        4人は色んな店の前を歩きながら、何を食べようかと物色しはじめた。 
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