CHAPTER−46
次の朝、すがすがしく目覚めたオカはイリコ・カガと朝食を食いにいった。
といってもホテルのレストランでのアメリカンスタイルブレックファストだが。
メニューは世界中どこのホテルでも食べられるアレ。
パンにオムレツにコーヒーとかってやつ。
「でも久々にこういうメシもいいかも」と思った。
なぜここにゴローがいないのかというと、それはもちろん朝が弱いから。
こいつは学生時代から寝起きはあまりよくない。
3人が朝ご飯を食べ終わるころ、ゴローがレストランにやってきた。
「おう、ようやく起きたか!」
無表情にゴローが答える「眠みぃ〜…」
ウェイターにコーヒーだけを注文し、一服する。
「今日はブルネイ最後の日やから、みんなで満喫するで!」
大ハリキリのオカ・ゴロー・カガ。
だがイリコだけは少し寂しそうやった。
「みんな帰っちゃったら寂しいわ〜」
ゴローがコーヒーを飲み終わると、4人は早速行動開始。
念願のミュージアムに行くことにした。
おととい、残念ながら入れなかったあの建物も今日は開いてるはず。
なんでってそりゃ、現地人から聞いたから。
街は狭いからもう道は覚えてる。
だからみんな迷うことなく一直線に目的地へと向かった。
そして現地到着。
この建物、正式には「ボルキァ王即位記念館」というらしい。
その頃は、そんな名前など全然知らずに入ったが…
現地人の話しによると「あそこは凄いぜ!」と誰もが薦める。
だからやっぱり見とかなアカンやろ。
4人は大きな靴を脱いで大きな扉から中に入る。
やはりここは前回予想したように、ガンガンにクーラーが効いてる。
「あぁ〜〜すずし〜〜!」
熱い国にいるとクーラーのありがたみがよくわかる。
早速受付のような所に移動し、ゲストブックに名前を書く。
ほとんどが観光客のようだが、日本人の名前はほとんどない。
ここで荷物を預けて中を見るらしい。
ここにはブルネイ王の宝物が展示されている。
まず目に付くのが建物のど真ん中にある人力車。
その中央上部に王様が座る玉座がある。
人力車といってもバスのようにデカイ(とてつもなくビッグなだんじりのようなもの)
それには人が押すための棒が何本もついている。
横を見ると、実際に王様がそれに乗ってパレードをしている様子が写真に写っていた。
数え切れないぐらいの人間がその人力車の動力となっている。「おわッすげーな!」
普段は置くとこもないやろし、人力でしか動かんとは、なんとも贅沢な乗り物や。
しかも見えるところにはほとんど金がほどこされてるし…
4人は展示品一発目からブルネイの財力を再確認させられた。
4人は建物を隅々まで回ることにしたが、なかなか結構広いではないか!
建物自体はそんなに大きくは見えなかったのでナメてたが、奥行きがすごい!
進めど進めど、どんどん宝物が出てくる。
各国からの贈り物や、歴史ある貴重品の数々。
それはそれは凄かった。
そういえばAPECの時の各国代表の直筆署名なんかも置いてあったな。
当時の日本国総理大臣「小渕恵三」と達筆で書かれてあったような。
いわゆる金・銀・財宝・貴重品のオンパレード。
もう見るもの見るもの凄すぎて、何が展示されていたかいちいち覚えてない。
だからみなさんも、実際に一度行ってみることをおすすめする。
でないとあの凄さは伝わらんばい!うん。
オカとゴローは、イリコ・カガと別れ、先へ先へと見て歩いた。
だってあいつら見るの遅いもん。
そうでなくても俺らあんまり時間ないのに…
時計を気にしながら見回るオカとゴロー。
「やばい、そろそろ時間やで」
その言葉に、オカも時計を見る。
確かに空港へと出発する時間がせまっていた…
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