CHAPTER−3
なんとか間に合った。とりあえず発券だけしてもらって空港内をぶらつくことに。
もちろん一人暮らしの男に、起きてから朝飯なんぞ食ってる余裕があるはずもない。
だから、空港内の飲食店街を歩いていると、うまそうな匂いが痛いほどに嗅覚を刺激する。
「腹減った〜。飛行機落ちたらもう日本食も食われへんから、食っとこうかな」
なんて考えつつも、お金の節約のために飯は控えることにした。
歩いていてふと、旅立つ前にオカ・カガ・ゴローの3人が集まったことを思い出した。
そういえばあの時、ジャンケンをして負けたヤツがガイドブックを買う約束だったよな。
ガイドブックを買わされるのは本気でイヤだったので気合い入れてジャンケンしたのに、オカは負けてしまった。
だってブルネイの紹介ページは、マレーシアのガイドブックの後のほうの数ページしかないもん。
そのためだけに高い金出して本買うのはもったいないやん…
でも実は本を買ってくるの忘れた。
やばいかな…?
みんな怒るかな…
ま、なんとかなるやろ。
そんなことを考えているうちに、いつのまにか結構時間が経っていた。
そういや、今がゴールデンウィークっていうこと忘れてた!!
「出国手続きメチャ混んでるかも!!」
ということを思いだし、オカとカガはイミグレーションへと急いだ。
|