CHAPTER−49 
      バンダルスリブガワン発、シンガポール行きの飛行機は定刻どおり航行。 
        行きの機内食は大ハズレやったから、同じ失敗はせぇへんぞ!と心に決めていた。 
        しかし、帰りの機内食はどちらを選んでもえらく普通だった。 
        「なんや…気合いれてスッチーの英語聞いて損した」 
      そろそろシンガポールに着こうという頃になって男性客室乗務員が歩いてきた。 
        手に持ったスプレーでエアコンの送風口にシューって吹きかけてる。 
        そういえば行きの飛行機でも同じことやってたな。 
        独特のお香のようないい香が機内に漂う。 
        そして機内には少しオリエンタルな心地よいメロディーが流れる。 
        「イスラム圏の飛行機は、こういうサービスがあるんやろな」と、変に納得。 
      しばらくすると飛行機はチャンギ・エアポートへ到着した。 
        3人はすぐに入国手続きをした。 
        やっぱここでも愛想が悪い。 
        「もっとサービス精神持てよな(怒)!!」 
        でも、こんな扱いも結構慣れてるけど… 
      オカとゴローは一度荷物を受け取り、必要なものをサブザックに入れ替えた。 
        そしてパッキングが完了した時点で再び荷物を預ける。 
        関空行き飛行機の出発にはかなり時間があったが、どうやらチェックインはできるらしい。 
        帰りの手続きをスムーズにするため、この時にチケットを発券してもらった。 
      3人の準備が整い、全員でバスターミナルへ向かう。 
        さすがに2日ぶりのシンガポールなので慣れたもの。 
        しばらくバスに揺られ、数日前に止まった安宿付近にやってきた。 
        とりあえずここからは3人が別行動することに。 
        まずはオカとゴローが噂の「ガラクタ市」とやらに行くことに。 
        その間、カガはシンガポールの病院を回ってみるらしい。 
        「そんじゃ、後でラッフルズホテルの前で待ち合わせな!」 
        そういってオカとゴローはカガと別れた。 
        「さぁ行こか!」 
        「おう!」 
      ガラクタ市はチャイナタウンの一角で開催されているらしい。 
        以前カガがシンガポールに来たときに見て、かなり笑ったとか。 
        なんでもホンマに「ガラクタ」ばかりが売られているらしい。 
        例えば扇風機の羽だけとか、携帯電話の基板だけとか。 
        「そんなん売ってどうすんねん!」ってツッコミを入れたくなるらしい。 
      しばらく歩くと人が賑わっている場所が見えた。 
        「お?あそこちゃうか?」 
        オカとゴローは足早に先を急いだ。 
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