CHAPTER−27
車はカーブを曲がり遊園地の駐車場へと入っていく。
どうやらここの駐車場は入るのにお金がいるようで、入り口に係員がいる。
普通のアジア的考えからすると、門の前で降ろされそうな気がするだろう。
でもおっちゃんはあたりまえのように胸から紙幣を取り出し料金を支払った。
「これがブルネイのチカラなんかな」と思った。
他の車は少ない。
来園者が少ないという噂は本当のようだ。
おっちゃんは車を止め、4人をおろした。
「雨が降るかもしれないから傘もっていきな!」
そう言っておっちゃんはご丁寧にもアンブレラを貸してくれた。
確かにブルネイに着いてからスコールに遭った。
せっかくやから借りとこう。
「じゃ11時にまたここに迎えに来るから!」
おっちゃんはそう言って4人を見送ってくれた。
とりあえず時間はたっぷりある。
ゆっくりまわっても大丈夫。
この旅始まって以来の余裕を持った行動のような気がした。
だが入り口がわからない。
いったいどこなんや?
和代さんの話では結構園内は広いとのことだったが、マジでデカイ。
入り口を見つけるのも一苦労だ。
しばらく歩くとそれらしき場所についた。
係員の青年がいたのでチケットを買う。
入園料はひとり2ドル。
約140円ぐらい。
安い。
しかし今でこそこうやって入園料を取っているが、つい最近までタダだったとか。
しかも中の乗り物までタダらしかったから、こりゃマジで富の象徴やね。
そうして4人は園内へと足を踏み入れた。
「おぉッ!でかい!しかもゴージャス!」
4人は驚きに包まれた。
敷地はかなり広い。
大胆なスペースの使い方をしてあって、妙にだだっ広い!
しかも地面は大理石のような綺麗な床になって、でっかいアーチが目の前にそびえている。
「うわ、すげー!」
こんなにゴージャスで金かけてるのに、客は人っ子一人見当たらない。
俺たちのためだけにあるようなもの。
独占状態。
4人の情熱バロメーターは次第に高くなっていく。
思わずみんなで写真を撮りまくる。
アーチをくぐるとその先には大きな噴水が見える。
ここの噴水では後から噴水ショーが見れるらしい。
でもそれはまだ先なので、まずはいろんな乗り物に乗ることにした。
乗り物に乗るためには一度敷地を出て、また別の敷地に行かねばならない。
4人は門を出て別のアトラクションゾーンへと向かった。
歩けど歩けど近づかない。
やはりここでも敷地の広さを感じることができる。
恐るべしブルネイの財力。
オカは心から「ブルネイの国王になりたい」と思った。
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