CHAPTER−23
さて、勇んで旅行代理店に入ったものの、どうやら様子がおかしい。
「なぜ?」
すると現地人女性が4人を部屋の外へ連れ出した。
「おっ?これは部屋に入るなってことなんか?」
4人は訳わからんうちに外に連れ出された。
そして隣のオフィスへと案内される。
実は俺らが場所を間違えていたらしい。
お〜、俺たちの早とちり〜ィ!
それで正しい場所へと案内してくれたようなのだ。
申し訳なく思いつつも、何とか目標の場所へとたどり着いた。
すると驚くべきことに日本語が聞こえてくる!
「なんで日本語!!?」
と思っていると、そこには日本人女性の姿が!
なんとそこの旅行代理店には日本人スタッフがいるではないか!
こりゃラッキー!
4人はここぞとばかりにブルネイのイロハを聞きまくった。
ツアーのこと、ジャングルのこと、街のこと、国のこと、その他いっぱい。
その日本人スタッフは和代さんというらしい。
すごく柔らかな口調で丁寧な日本語を話してくれる。
そこでオカはブルネイの最大のテーマであった例の件に触れた。
「あのぉ、オランウータンはどこに行ったら会えますか?」
和代さんの顔が少しにこやかになる。
そしてほどなくこう答えた。
「ブルネイにはオランウータンはいないんですよ」
えっ!?
なぬっ!?
うそっ!?
はぁ…
俺がホテルでゲットしたガイドブックには確かにオランウータンの姿が写っていたので
うまくすれば会えると思ってたのに…
その夢は儚くも撃沈された。
ま、会えないにしてもとりあえずジャングルは行かんとな。
そういうことで明日のジャングルツアーを申し込む。
ラフティングも出来るらしい。
「僕、日本でラフティングガイドしてるんですよぉ!」
オカは誇らしげにそう言った。
他の3人は「だからなんやねん!?」みたいな顔してる。
いや、和代さんもか?
しかし和代さんによるとブルネイの川は穏やかなのであまりスリルはないとのこと。
それならわざわざ高い金払ってラフトする必要もないと思い、トレッキングだけにした。
「ならラピッドライダーっていう面白い遊びもあるわよ」
と和代さんが教えてくれた。
なんじゃそりゃ?と思いつつ聞いてみると、マットに浮かんで川を下る遊びらしい。
「おもろいんかな?」
少し疑問を抱きつつも、和代さんが「おもしろい」と言ってくれているのですることにした。
珍しい日本人ということで、値段も少しまけてくれた。
すべてコミで約1万円。
しかも学生割引とかいうことらしい。
ま、見ようによっては俺らもまだ学生で通じるかな…
とりあえずお金を払おうとするが、現金があまりなかったので外で両替してくることに。
「換金してからもう一度来ます」と言い残して4人は再びビルの外へ出た。
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