CHAPTER−25
オカ・カガ・ゴローは再び町へと繰り出した。
しかし本当にブルネイは小さな国なので、首都であるここも小さなものだ。
カガは変な店を見つけるとどうしても入りたくなるらしい。
いたるところでマニアックな行動をとっていた。
この日はブルネイに到着した当日だが、今回は何度も言うように時間がない。
明日は丸一日ブルネイを満喫できるが、それをジャングルに費やしてしまう。
その次の日は早くもブルネイを離れねばならず、非常にあわただしいスケジュールだ。
つまり土産などを買っている暇などないわけだ。
だからこそ今の時間を利用してなんとか土産を買いあさらねばならんのだ。
オカの心は非常に焦っていた。
ブルネイ行きの件を知っている人には、やはり少しぐらいは土産を用意せねば。
でも買い物する時間がない・・・
そんな気持ちからオカはある決意をした。
それはカガ・ゴローと別行動することであった。
少しでもたくさんの店を回りたいと思ったからこその決断だ。
「おれ一人でブラついてみるわ!」
そう言ってオカは一人で歩き始めた。
とりあえず目のつく店は片っ端から入ってみた。
ジェルドン・パークに行くまでまだ時間はある。
1〜2時間もあれば土産の一つや二つは買えるだろう、と考えていた。
しかし、甘かった。
ブルネイにはほとんど店がない。
あるにはあるが土産として成立するような品物を置いている店がほとんどないのだ。
街のスーパーみたいな所や雑居ビルなどをウロウロしてみたがいい物がない。
民族衣装をあつらえる生地屋さんならたくさんあるんだがなぁ…
そうこうしているうちにどんどん時間だけが過ぎていく。
「やば…はよせんと時間がなくなる…」
オカは余計に焦ってきた。
しかもそこで気づいたのだが、オカは時計を持っていなかった。
唯一の時計と言えば日本から持ってきた携帯だけだが、今はホテルに置いてきてしまった。
時間がわからないこともあって、さらに焦ってきた。
膀胱がムズムズするような緊張感に、トイレへ行きたくなってきた。
遊園地出発はホテル前を19時。
だから遅くとも18時45分までには買い物を終わらせてホテルに帰らなければ。
とりあえず時間を探るため、あらゆる店の中をのぞいて時計を探した。
しかしどの店にも時計は置いてない…
あると言えば国王と二人の夫人の写真だけ。
しょうがないので雑貨屋のおっちゃんに時間を聞いた。
「いま何時?」
「18時30分やで〜」
お、やばい。もう時間がない。
オカは買い物のラストスパートをかけ、一応何点かの品物をゲットした。
品物リストは以下のとおり。
★缶入り飴5個セット(マレーシア産)
★イスラム教徒御用達腰巻布×3(インドネシア産)
★手作りランチョンマット&コースターセット(ブルネイ産)
★チョコバー5本(ドバイ産)
とりあえずはこんなもん。
やっぱ小さい国だから、ブルネイ産の物ってほとんどないのね。
他にも買う時間があったらまた買おう。
そんなこんなで時間は18時50分を回った。
うッ!!間に合わん!!
急げ急げ!!
オカは酷暑のブルネイの町を全力疾走した。
暑い、暑い、暑すぎる…でも走らねば…
吹き出る汗もそのままにテラスホテルに一直線へと走るオカ!!
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