CHAPTER−11
帰ったら結構な時間やった。
なんかすんごい疲れた。
メシ食べようか、と3人で話をしてたけど、カガのことを考えて止めた。
せっかくやから4人そろって食べたいもんな。
足早に宿に戻る。
部屋に着くとカガがいた。
なんかくつろいでいる。
どうやらカガもいろいろなところを見て帰ってきた所らしい。
しかし部屋の床にはビールの空き缶が転がっている。
こいつやっぱり飲んどった!!
とりあえずカガも合流しメシを食いに外へ出た。
しかしシンガポールは高層ビルが乱立してて、なんだか落ち着かない。
裏道のようなところを通り、イリコとゴローがおすすめの屋台へと向かった。
しかしゴミも捨ててはいけないような街で屋台なんか出てるんか?と思った。
しばらく歩くと雑多な商店街のようなところに来た。
しかしほとんどの店が時間が遅くて閉まっている。
そんな中、なんとかやってる店をみつけてフライドライスを注文。
店のおばちゃんは高い料理をすすめてくる。
だけど4人は安いヤキメシしか頼まない。
おばちゃんも少し期待はずれの表情をした。
料理が運ばれてきた。
うん。見た目は普通やな。
あとは味や。
パク
「・・・」
ん〜、どうなんやろ?
決してまずくはないが、特別おいしくもないような気がする。
これならマレーシアで食った屋台のヤキメシの方がうまかった。
でもとりあえず腹が減ってるので食う。
さっきからカガとイリコがカキ氷を食べたいとうるさい。
「シンガポールはカキ氷がうまいねん」とカガがつぶやいた。
ほんまコイツは色んな事しってるわ。
なんか関心してもうた。
カガが席を立ちカキ氷を買いに行った。
しばらくして帰ってきたカガの手には、なんともグロテスクものを持って帰ってきた。
カガいわく、チェリモヤという果物らしい。
その果実と種がカキ氷の上にのっかっている。
俺にはどうしてもそれが「鼻水」にしか見えんかった。
しかしみんなが一口ずつ食べるにしたがって、「うまい」と口にもらす。
ほんまか?と疑いつつもオカも食べる。
「お?結構いけるかも!!」
予想外にうまかった。
それはもしかしたら、このくそ暑いシンガポールで冷たい物が食べれた喜びだけかもしれん。
なんともさわやか。
その場にして回りがオアシスになった。
イリコもカキ氷を買おうとしていたが、残念ながら店が閉まってしまった。
イリコは「うそ〜ん!!」って騒ぎまくってた。
だけど時間は夜中の零時。
そりゃ閉まるっちゅうねん。
しかも天井付近に付いている扇風機までパタリと止まり、電気も消え始めた。
せ、せめて扇風機だけはつけててくれ。
本気でそう思った。
とりあえずメシも食い終わったので宿に帰ることに。
しかしシンガポールの夜がこれで終わりとなると少しさびしい気がした。
「マーライオン見る?」
イリコとゴローが言った。
そうや、やっぱシンガポールに来たんならマーライオン見とかな!
しかしオカを除いて他の3人はみんなすでに見たことがある。
でもそんなに遠くないから見たい気もする。
しかしみんな極限まで疲れてて今から歩いて移動するのは少しつらい。
どうしようかと迷っていると、イリコが「見に行こう!」と言ってくれた。
その言葉で4人の足はマーライオンへと向かう。
4人の夜はまだまだ終わらない・・・
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