CHAPTER−44 
      ブルネイスッテンコロリン事件の興奮(?)が冷めたころ、そろそろ帰る時間になった。 
        ネイさんが船着場まで送ってくれた。 
        「あぁ、でも今日はホンマ楽しかったぁ」 
        みんなが口々に言う。 
        「今度はジャングルの中で一泊か二泊するツアーがええな」 
        いいね、ソレ。 
        オカも大賛成。 
      船着場では乗船の順番をリストに書き込む。 
        結構早い順番をゲットできたから、さぞかし早く帰れるだろうと思った。 
        しかし、すぐに船が来るのかと思ってたら全然。 
        結局そこで1時間近く待ったような気が… 
      その間、みんなは船着場のベンチに座って待っていたが、全員一斉に睡魔が襲ってきた。 
        そりゃそうだ、昨日の晩もほとんど寝てないのにこのハードさやもん。 
        突然カガとゴローがすんごい激しい船をこぎはじめた。 
        コックリコックリなんてカワイイものではなく、グワングワン、ブンブンってぐらい。 
        風になびくススキよろしく、前後左右へ揺れまくる。 
        それを見た現地人はニヤニヤしてるし、挙句には子供に指差されて笑われる始末。 
        オカとイリコはそんなに熟睡していなかったので、現地人の異変に気付いて起きた。 
        そして現地人と一緒になってカガとゴローのストロークを見てわらった。 
        「さっき転んだとき、さんざんコイツらには馬鹿にされたから仕返ししたろ」 
        ということで持っていたカメラでやつらをパシャ! 
      ようやく船が到着し、4人は乗り込んだ。 
        帰りの船ではネイさんの仕事仲間という女性も乗り込んだ。 
        この人はブルネイ人なのにすごい日本人っぽい顔をしてた。 
        結構美人でかわいらしい… 
        しかも性格もいいときたもんだ。 
        イリコはボートの中でも親しげに話してたみたい。 
      …しばらくの睡眠… 
      「おい、起きろ!ついたで!」 
        船が到着し、4人は外へ出た。 
        「いやいや、それにしても有意義な一日やった。」 
        ていうか、まだまだ4人の一日は終わらないのだが… 
        とりあえず一度ホテルに帰ることに。 
        ネイさんの仕事仲間ともここでお別れ。 
        「バイバイ!元気でね!」 
      朝通ってきた道を逆に歩き、ホテルに到着。 
        部屋に入ってみると、中はちゃんと掃除されて、布団もキチンとなってた。 
        だがオカは朝に、洗面所で洗濯したパンツをロープにかけてっぱなしで出てきていた… 
        見ると、椅子と机の間に結んだロープと、そこに干されたパンツだけはそのままだった… 
        これでまた日本人の印象悪くなったかなぁと反省。 
        ゴローと順番にシャワーを浴びて、着替えてから再びロビーでみんなと集まる。 
        4人が集合してから、再び街に繰り出すことにした。 
      ブルネイでは日の沈みかけた今ぐらいの時間が、人が一番活発に動くみたい。 
        街は昼間以上の活気に満ち溢れていた。 
        今日は全員そろって色んな店に入ってみる。 
        昨日買えなかったおみやげを、改めて物色する。 
        オカが昨日購入したイスラム教徒御用達の腰巻をみんなに教えたら、こぞって買ってた。 
      しばらくすると日が暮れ始め、道路や店先には明かりがともり始める。 
        今日がブルネイ最後の夜だ。 
        しっかり堪能せねば。 
        そこでみんなで屋台に繰り出すことにした。 
        今泊まっているテラスホテルの前に夜は屋台が出ているとのことだった。 
        「よっしゃ、今日はみんなで美味いもん食うぞ!」 
        こうして4人そろっての最後の夜がはじまった… 
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