CHAPTER−45

そこは公園の一角だったが、食べ物の屋台が20個近くあった。
「とりあえず腹へった。何か食お!」
4人はぞろぞろと屋台を物色して回る。
最後の晩餐になるからいっぱい食うぞ!と張り切る4人

ちなみに、こいつらとの旅はいつもそうだが、始まりと終わりで人数が揃ったことがない。
行くときもバラバラで、帰るときもバラバラ。
途中から参加したり、途中で帰ったりはあたりまえ。
今まで行った北海道も、沖縄も、トルコも、そしてこのブルネイも…。
今回来る時はイリコとゴローが先発隊で来ていたことは承知のとおり。
しかし帰りはオカ・カガ・ゴローが先に帰り、イリコだけブルネイに残ることになる。
まとまりがないというか、自由というか。
でもみんなこんな旅の仕方を結構気に入ってもいる。
だからこそ、お別れの晩にはいつもおいしいご馳走をたべることにしているのだけれども。

とりあえず屋台を一回りグルリと見て回ってある程度のめぼしをつけた。
そこからみんなが散り散りになって欲しいものを買って集まる。
カガとゴローは焼き鳥がうまそう、ということで早速買いに走っていた。

オカとイリコは怪しげな名前を書いた屋台の前で立ち止まる。
メニューを必至になって読む。
「パパジョン?なんやこれ?」
その下を見るとママジョンって書いてあった。
パパやらママやら変な名前だが、どうやら作っているものはホットドッグのようなものだ。
隣にいた現地人の兄ちゃんがイリコの「パパジョン」の発音を聞いて首を振っている。
「ちがうちがう!“パパジョン”じゃなくて“パパジョ〜ン”だ」と丁寧にも教えてくれた。
何度言い直してもイリコはダメ出しをくらっていた。
だがオカは華麗なる発音で「パパジョ〜ン」と言うと、彼は「うまい!」と言ってくれた。
ま、そんなことはどうでもいいのだが…
屋台のお姉ちゃんが、長めのバンズに切れ目を入れ、それを鉄板の上で焼き始めた。
そしてその横ではひき肉と卵などを混ぜたものをバンズの長さにあわせて伸ばして焼く。
最終的にはその具をバンズにはさんで、ハイ完成!
食ってみたら、これがなんとメチャメチャうまかった。

いろんなものを物色して帰ってきたゴローとカガと合流し、椅子に座ってみんなでつまむ。
「あ〜うめ〜!」
「これうまいわ〜」
マレー料理は辛くもないし、オカは結構うまいと思った。

喉が渇いたのでジュースを買うことにした。
ちょうど屋台の一つがジュース専門店だったのでそこで購入することに。
だがそのジュースが、なんともカラフル!
「これ、どんな着色料使ってんの?」ってぐらい。
赤・青・黄・緑・白、その他さまざまな色・色・色!

みんなで何種類か買ってみたけど、意外とどれもうまかった。
こうして4人そろっての、最後の夜は暮れていった。

ホテルに戻り、簡単に荷物の整理をする。
ゴローがシャワーを浴びてる間にイリコとカガの部屋におじゃましてみた。
カガが市場で買ったマンゴーを剥いて食べていた。
オカも一口もらって食す。
「うん、うまい!」
ブルネイの夜も最後と思うと少し寂しい。
しかし明日は昼の飛行機なので、午前中は少し時間がある。
だから明日の朝は、前に入れなかったミュージアムに行く予定。

「さ、今日は寝よ!」
オカは部屋に戻って布団に入るなり、ぐっすりと眠り始めた。
その日の夢はもちろん「ラピッドライダー」だった。

 

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