昔の建売住宅と今の建売住宅

昔、昭和の時代、建売は安かろう悪かろうだと言われていました。
では、今の建売住宅はどうなのでしょうか。

昭和の建売住宅

昭和30年代から40年代に掛けて日本は高度成長期で、
首都圏では沢山の建売住宅が建築されました。
当時は耐震基準や検査体制も悪く、業者のやりたい放題でした。

躯体

躯体構造に使われた木材は安価な材料が使われ、
筋交いを始め結合部分は釘で留める程度で脆弱でした。

木材の含水率が高く、
その為材が捻じれたり反ったり痩せたりして暴れ、
建具に不具合がでたり、外壁にひび割れが起きたりしました。

床は根太に直接床材を張っていましたから
根太が乾燥して痩せて縮み、
冬になると隙間風が入り込んできました。

この当時に建築された建物の2階で子供たちがドタバタやると
家が揺れる程でした。

屋根

安価なセメント瓦が多く採用されました。
セメント瓦は古くなると塗装が剥がれ、
ズレたりして雨漏りの原因にもなりました。

基礎

基礎は鉄筋が入っていない布基礎でクラックが入りやすく、
基礎高も今の基礎よりもずっと低く通風も悪く、
白アリの被害に遭いやすい構造でした。
後に鉄筋が入る様になり改善されました。

外壁

外壁はトタン張りかモルタルリシン吹き、
後期はモルタルアクリルタイル吹きでした。

壁下地はラス板張りで、断熱性能も悪く、
夏暑く冬寒い構造でした。

設備

窓はアルミサッシが使用されましたが、
単板で気密性が今よりも良く無いため、
風が強いと埃が入って来る事がありました。

浴室はタイル張りで0.75坪程度で狭く、
ガスで沸かしていましたが、バランス釜が採用され、
その為浴槽は90センチ程度の小さな物でした。

台所の給湯は、
瞬間湯沸かし器がキッチンに取り付けられていました。

今の建売住宅

建物は年々改良され、耐震基準や防火基準の強化により、
昭和の建物とは比べ物にならない程改善されました。
また検査体制も厳格化され、
手抜き工事ができない様になりました。

躯体

躯体構造材には集成材が使用され、捻じれや反りが無く
根太や外壁下地に構造用合板が使われる等、
躯体そのもののひずみが大幅に改善されました。

柱や筋交いなどの結合は頑丈な金物を使う事が義務化され、
結合部分の強度が大幅に向上し、耐震性能が強化されました。

屋根

コロニアルスレートが広く採用され、
軽量の為、耐震性能の向上に一役買っています。

基礎

殆どの建売住宅で耐圧版基礎(ベタ基礎)を採用しており、
不同沈下が起きにくく、耐震性、耐久性が大幅に向上しました。
床下の通風には、基礎パッキンなどが使用され、
通風と強度が向上しています。

外壁

多くの建売住宅にサイディングボードが採用され、
施工期間が早く、ひび割れが起きなくなりました。
デザイン性も幅広くなり、
様々なデザインの外壁が施工される様になりました。

下地は構造用合板などが使用され、
壁式構造と同様な強度が確保される様になりました。
下地に合板を使う事によって、
建物が密封されることになり、
壁の中に入れる断熱材の改良もあって、
断熱性、防音性が大幅に向上しています。

設備

窓のアルミサッシも大幅に改善され、
二重ガラスを採用している建物が殆どで、
サッシの密封性も大幅に向上し、
断熱性、防音性が比べ物にならない程向上しています。

浴室はユニットバスが採用され、
施行が早く、デザイン性にお優れていて快適になりました。

給湯機が採用され、
お風呂のお湯は勿論の事、
台所のお湯もひとつの給湯機で給湯できる様になりました。

近年ではソーラーパネルを乗せたりしてオール電化の住宅もあります。
建物の断熱性能が良くなったこともあり、
エネルギーコストも改善しています。

安かろう悪かろうは昔の話

昭和の時代の建売は
「20年ぐらいしか持たない。」
と揶揄されました。実際にそうでした。

生産効率の改善から、質、性能が優れた建材が
ローコストで生産できるようになり、
材料や建材の品質の向上、
法整備、検査の厳格化から、
建物の性能、耐久性が大幅に向上しています。

今の建売住宅の建物は、
昭和の時代の建物とは比べ物にならない程
性能が向上しています。
ですから安心してお買い求めできます。

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2018年08月01日