検査で手抜き工事は見向けないのか
レオパレス21が建設した建物の内、
全体の80%の建物に施工不良がみつかり、
大きな問題になっています。
施工不良は検査の時に分からなかったのでしょうか?
建築確認・中間検査・完了検査
建物を新築する時は、
建築確認・中間検査・完了検査を受けて合格しなければなりません。
この他に、一定の認定を取得する場合には、基礎の配筋検査もあります。
建築確認は、
建築しようとする建物が、
法に適合しているかどうかを図面や書面で確認する事です。
基礎配筋検査は、
基礎に配筋される鉄筋が、決まり通りに配筋されているかの検査です。
中間検査は、
基礎や躯体など、建物の骨格部分が適切に施工されているかの検査です。
完了検査は、
完成した建物が、建築確認申請時に提出した図面、書類通りに
施工されたかの検査です。
これら検査に全て合格して、
めでたく竣工となって、建主(買主)に建物は引き渡されます。
検査を受けているのに、手抜き工事は見抜けないのか
これだけの検査を受けているにも関わらず、
レオパレス21が建築した80%の建物に施工不良が見つかりました。
検査では施工不良が見抜けなかったのでしょうか?
レオパレス21の不具合は、防音や防火に関する施工不良でした。
これらは出来上がってしまうと見えなくなってしまう部分でした。
本来、完了検査の時に指摘されるべき事ではありますが、
完了検査では、
完成した建物の一部を壊してまで確認はしません。
また、非破壊検査も行いません。
あくまでも、目に見える部分のみの検査になります。
内部の施工については、
施行者の性善を信頼しているのが実情なのです。
完了検査は完成した建物の内部の隅々まで
100%検査している訳では無く、
壁の内部などの手抜き工事を全て見抜く事ができないのです。
イタチごっこ
殆どの建設業者は正しく施工しています。
しかし残念ながら、
ごく一部に悪辣な業者がいるのも事実です。
彼らは、いかに検査の裏をかくかを考えます。
そして、検査では発見されない部分について手を抜くのです。
この様な事が絶えない為、
検査は年々厳格化されていますが、
悪辣な業者は、その裏をかいてゆきます。
まるでイタチごっこの様なのです。
信頼できる業者を選ぶ
これらの手抜き工事を事前に知る事はできません。
なにせ、専門の検査官の目さえ誤魔化してしまうのですから。
では一般ユーザーは何を信じれば良いのでしょうか。
それは、信頼できる業者を選ぶと言う事です。
殆どの業者は、まじめに正しく施工しています。
建設業者として信義を守る事は勿論の事、
手抜き工事などをして信用を失えば、
業者として生き残る事ができないからです。
正しく施工する事は特別難しい事ではありません。
決められた事を、当たり前に施工するだけの事です。
むしろ目先の利益にゆらいで手抜き工事をする方が、
後に保証と信頼を失う事で致命的になってしまいます。
レオパレス21の建物の遮音性の悪さについては入居者から
随分前からネットでは指摘されていました。
この度の騒動は、
それが裏付けられた形になりました。
どこの業者が良くて、どこの業者が悪いのか、
これは消費者(施主)自身が判断するしかありません。
そして、我々業者はより一層、
襟を正してゆかねばなりません。