住めば都 線路際の物件

線路際の家の画像

線路際の物件、一般的には騒音や振動で嫌がられます。
しかしその分、割安でもあります。
実は、線路際の部屋に住んでいた経験があります。
その時の実体験のお話です。

線路際の部屋に住んでいた事があります

住んでいたのはJR中央線の線路際の部屋でした。
当時は寮に住んで居て、正確には線路際からふた部屋目だったのですが、
東向きの部屋で、東側には隣の家が迫って建っていて、
日当たりは悪いし、隣の部屋の壁に電車が通過する音が反射して、
むしろ線路際に面している部屋よりもうるさいぐらいでした。

部屋の選択肢は無く、指定された部屋にするしかありませんでした。
正直その部屋に指定された時「え~っ!」と思いましたが、
抗う事はできず、その部屋に住む事になりました。

音と振動で眠れない

当然ですが電車が通る度に騒音と振動がします。
踏切が近くにあり、列車が来る前から警報器の音が鳴り響きます。
さらにカーブしている所でしたから、
車輪がきしむ音までします。
当然レールのつなぎ目の音と振動もします。
もう最悪の状況でした。

それは窓を閉め切っていても、
テレビの音がかき消される程でした。
振動もあり、特に重い貨物列車が通過する時は尚更でした。

夜寝ようとしても、
通過する列車の音と振動で眠りに落ちようとしても目が覚めてしまい、
朝と言いますか、深夜も通過する貨物列車や、
始発電車の音と振動で目が覚めてしまったのです。
「最悪の部屋を充てられてしまった。」
と嘆いたのでした。

あれ?!

「最悪だ!」と思ってから1週間程度していた頃、
部屋でくつろぎながら、テレビの映画を見ていた時の事です。

映画をほぼ見終わる頃に、
電車の通過を全く気にしていない自分に気が付いたのです。
電車が通過する度に、
テレビの音声もかき消される程の騒音があるのに、
それを全く気にしない自分に驚いたのです。

夜も確かに電車の通過音がしますが、
当初程気になる事は無く、
1ヶ月もすると、殆ど気にならなくなってしまったのです!

目覚まし時計代わり

当時は運動部に所属しており、
朝練習があったため、毎朝5時には起床していました。
始発電車は5時少し前、
始発電車が目覚まし時計代わりになっていました。

それよりも1時間程前に貨物列車が通過するのですが、
「ああ、まだあと1時間寝られるな。」
と思う程、列車の通過が気にならなくなっていたのです。。

順応

どうやら人間には、
置かれた環境に順応する能力がある様です。
確かに最初は慣れません。ストレスもありました。

ところがそれが知らない間に気にならなくなり、
最後は列車が通過しないと寂しいと思うぐらいになってしまい、
日常生活している上で、
列車通過の騒音と振動は全く気にならくなったのです。

これは線路際の物件を購入したお客様も同じ事をおっしゃっていました。
その物件は正に線路際で、
通勤電車は勿論、貨物列車、特急列車も通過する幹線で、
しかも最高速度で通過する場所だったのです。

やはり最初の1週間は気になったそうですが、
知らない間に全く気にならなくなったそうで、
2階の線路際の部屋をもらったお子さんは、
今やすっかり鉄道ファンになってしまったのだそうです。

災い転じて福となす

線路際の物件というと、
一般的には音や振動がするという事で嫌がられます。
そうなると不動産の評価も下がり、
値段も周辺の相場よりも割安になります。

線路があるという事は、
少なくとも、列車が通過する時以外は線路上は空間となり、
日当たり、風通しは良くなります。
将来そこに建物が建つ事もありません。

不快かそうで無いかは、本人の主観によります。
他の大勢が不快だと言っても、
本人が不快だと思わなければ、何の問題もありません。
これは事故物件にも言える事です。

むしろそういった物件は割安で、
周辺よりも安く購入する事ができ、
本人が不快だと思って居なければ、
むしろお得で有益な物件になるのです。

考え方次第

どうしても駅近の物件や敷地が広い物件が必要な場合で、
だけれども、資金計画の関係でそれができない様な場合、
線路際の物件を選択肢に入れるのもひとつの手だと思います。

線路際の物件は周辺相場よりも割安ですから、
同じ価格でも、
より都心に近く、より駅に近く、より広い物件を求める事ができます。
もしかしたら、大きな値引き交渉もできるかも知れません。

割安にマイホームを購入しようとするのならば、
線路際の物件もマイホーム探しの選択肢のひとつとして検討する事は
決して悪い選択肢では無いと思います。

住めば都なのですから。

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2018年07月29日