狭小住宅 トイレとお隣りとの関係

狭小住宅の画像

都心に多い狭小住宅。
首都圏郊外でも昭和30年代から40年代にかけて
15坪から20坪程度の土地に沢山建てられました。

時代背景

当時はマイカーを持っている世帯が少なく、
カースペースの必要性が低かったために、
建物を建てるだけの広さがあれば良かったのです。

当時は住宅事情も悪く、
6畳一間に家族四人で寝るなんて事も普通に有り、
3DKの一戸建てでも十分広く
価値があったのです。

また売主の不動産会社からすれば、
一つの土地を沢山分割して
建売を建てた方が利益が大きい事から、
狭小住宅が沢山建てられました。

時代の変化

時代は変わり世の中が豊かになって、
どの家もマイカーを持つ様になりました。

DKからLDKが人気となり、
子供達も自分の部屋を欲しがるようになり、
建売住宅は土地、建物共に広くなりました。

一方昔販売された狭小住宅は
地価の高い都心では再利用され、
1階にビルトイン車庫を設け
3階建ての建物に生まれ変わっています。

狭い土地ゆえの制限

土地が広ければ、間取りの制限を受ける事は無く、
自由に配置できます。

しかし狭い土地では、敷地が狭い事もありますが、
上下水道の取り出し位置の関係も影響を受ける事もあり
思う通りの間取りを配置できません。

その影響で、居室はもちろんですが、
水回りの配置も決まってしまいます。

時には隣とトラブルになる事も

ある狭小住宅で実際に起きた事です。
その家はイージーオーダー(注文住宅方式)
で建てられました。

当初売主から間取りの提案をされたのですが、
その間取りではなく、
お客様のお好みの間取りで建築されました。

玄関の位置の関係でトイレの位置が決まってしまい、
その位置が、
丁度隣の家のキッチンの場所と重なってしまったのです。

工事中はお隣の家からは
どんな間取りの家ができるのか分かりません。

完成間近になって足場と養生シートが取り外されると、
キッチンの窓と隣のトイレ窓が、
ピタリ重なっている事が判明したのです、
しかも狭小住宅ですからその距離は1m程度しかありません。。

当然隣の家から激しい抗議がありました。
「トイレを使うな!」
とまで言われてしまったのです。

トイレを使うなと言われても、
トイレは1か所しかありません。
その是正策として
・トイレの換気扇を使わない事
・トイレの窓を開けない事
・トイレの窓が見えない様に境界フェンスに目隠しを付ける事
になりました。

トイレの窓を開けられず換気扇も使えない事から、
後付けの脱臭装置を
トイレに設置する事になってしまったのです。

脱臭装置は、定期的に脱臭材を交換しなければならず、
余計な出費を強いられる事になってしまったのです。

狭小住宅の間取りは、ご近所への配慮も必要

狭い敷地ですから、お互い様ではあるものの
お互いの気遣いがなければ
ご近所づきあいにも影響がでます。

賃貸住宅ならば引っ越す事ができますが、
持ち家ともなると、そう簡単には行きません。
精神的な事をもちろんの事、
経済的にも損失を被る事になってしまいます。

狭小地に家を建てる時には、
お隣の間取りも考慮した工夫が必要になります。
それはご近所づきあいは勿論の事、
自分の資産を守る事にもなるのです。

  • はてなブックマークに追加
2018年07月28日