バルコニーガーデニングが流行らなかった訳
今から15年ぐらい前でしょうか。
マンションのバルコニーガーデンが流行りました。
しかしその後、
あまり話題にならなくなりました。
一体何があったのでしょうか。
庭の無いマンションでガーデニング
一戸建てならば、庭がありますから
ガーデニングを楽しむ事ができます。
しかしマンションは、1階以外は庭はありません。
そうなると、ガーデニングを楽しむ事ができません。
そこで考え出されたのバルコニーガーデニングでした。
バルコニーを庭に見立てて
ウッドデッキやタイルを敷いたり、
砂利を敷いて和風にしたり、
マンションでもガーデニングを楽しめる様にしたのです。
その新しい発想に、一時爆発的に流行りました。
庭の無いマンションで、
部屋と一体化できるバルコニーガーデンは、
それまでマンションには無い新鮮なものでした。
ところが、あまり長続きしなかったのです。
一体何があったのでしょうか。
大規模修繕
分譲マンションは、10年から15年に一度、
大規模修繕が行われます。
大規模修繕では、
建物の外壁やバルコニーの防水工事も行います。
その時には、せっかく何十万も掛けて施したガーデニングを
一切撤去しなければならず、
撤去した部材を保存したり、処分する事が困難なのです。
その結果、
分譲マンションのバルコニーガーデニングは
徐々に下火になっていったのでした。
バルコニーは共有物かつ避難通路
分譲マンションのバルコニーは共有物です。
その部屋の所有者の所有権ではありません。
廊下などと同じなのです。
ただし、占有する事ができるだけなのです。
それには理由があります。
マンションの主な出入りは玄関です。
万一火災などが発生し、
玄関が使えなくなった場合は逃げられなくなってしまいます。
当然煙と炎を避けてバルコニーに逃げます。
バルコニーには、隣の部屋と仕切る壁が設けられています。
この仕切り壁は、
足で蹴るなどすれば、簡単に破れる様になっています。
万が一の場合は、
仕切り壁を破って隣の部屋に非難できる様になっているのです。
つまりバルコニーは避難通路でもあるため、
共有になっているのです。
その為いくら自分で大金を出して
バルコニーガーデニングを施したとしても、
共有物である以上、大規模修繕を拒む事はできません。
その結果、
折角ほどこしたバルコニーガーデニングを、
大規模修繕の前に撤去しなくてはならないのです。
自分の自由にならないマンション
マンションで自由にできるのは、自分の部屋の空間部分のみです。
壁も天井も柱もバルコニーも全て共有物です。
勝手に壁を抜いて一部屋にする事もできません。
敷地も共有物、あるいは共同管理物ですから、
こちらも自分の自由にはなりません。
勝手に草木を植えたり、
一部を畑にしたりする事はできません。
もしもガーデニングを楽しみたいのならば
マンションでは無く一戸建てを選ぶべきでしょう。