あえて道路予定地を購入する

計画道路のイメージ画像

道路は都市計画に基づいて作られます。
都市計画は、
各行政が暮らしやすい街づくりをする為に計画します。
その中に、道路も入っているのです。

計画道路

街づくりで重要なのが道路です。
生活、産業、防災の上で道路はとても大切な役割を果たします。

既存の道路では手狭になってしまい改善する必要が出てきます。
その時行政は、既存の道路を広げたり、
新たな道路を作る検討し計画を立て、
それによって決定されたものが「計画道路」なのです。

計画決定と事業決定

どこの道路をどうするのか検討し、承認が得られると
「計画決定」道路になります。
計画決定されると、都市計画図に計画決定した道路が書き込まれます。

計画決定されたからと言って、直ぐに道路ができる訳ではありません。
道路を作るには、莫大な費用と時間が掛かります。

場合によっては、
立ち退き交渉や建築物の撤去などもしなければなりません。
決定されても実際に道路ができるまで、
何十年も掛かるのが常なのです。

計画決定された道路に予算が付いて
「事業決定」に格上げされます。

「事業決定」されると、いよいよ道路建設に向けて動き始めます。
立ち退き交渉や、道路予定地の用地買い上げ、
そして実際の工事に着手して行きます。

事業決定されたからと言って、
直ぐに道路ができる訳でもありません。
用地買収の交渉から始まりますから、
家が立ち並んでいる場合は、十年単位で時間が掛かります。

建築に制限を受ける計画用地

計画道路に指定に指定されても不動産の売買は自由にできます。
ただし、その土地上に建てられる建築物には制限が加えられます。

鉄筋コンクリート造りの頑丈な建物や地下室は
建築許可が下りません。
比較的解体しやすい木造住宅であれば建築許可が下ります。

事業決定されると、建築許可は下りなくなります。
建物を建てない使い方、畑や駐車場、資材置き場などであれば
収用されるまで使う事ができます。

行政が買い上げてくれる

事業決定されると、用地買収が始まり、
立ち退かなければなりません。
とは言っても、強制的に排除されるのではなく、
行政が土地を買い上げてくれます。

行政が買い上げる金額は「公示価格」を元に算出されます。
「公示価格」とは、行政が土地を買い取る時に基準にする価格で、
不動産市場と連動し、毎年発表されます。

公示価格があるとは言え、
不動産は個々の状況によって値段が異なるものです。
それら詳細な事については、
個々で交渉して決めています。

どうにでも立ち退かない場合は、
行政代執行、つまり無理やり立ち退かされてしまいます。
もちろん保障はされますが、
順当に交渉するよりも割は良く無い様です。

あえて道路予定地を購入する

計画決定された土地は、いずれ道路になります。
その時には立ち退かなければなりません。
そのわずらわしさから、
一般的に道路計画があると嫌がります。

しかしあえて購入する方もいらっしゃいます。
それは、不動産業や建設業に関わっている人たちです。
彼らは、
計画決定された土地のうま味を知っているからなのです。

道路計画が決定されても、
いつ事業決定され、道路工事が始まるかは分かりません。
10年先か、20年先か、はたまた50年先か。

計画道路決定された土地は、
土地の評価が下がりますから
周囲よりも割安で購入する事ができます。

そして、建物が古くなって、
そろそろ建て替えようかと思う頃に、
事業決定されて行政が買い上げてくれるのです。

調整区域でも建築ができる

これは行政の条例によるものですが、
計画道路により自宅を収用された場合は、
一般の方には許可がおりませんが、
一定条件をクリアした調整区域の土地であれば
建物を建てる事ができます。

地価の高い市街化区域内の土地を行政に買い取ってもらい、
地価の安い調整区域で、
今までよりも広い敷地を代替え地にして
建築する事ができるのです。

しかも丁度建物が古くなって、
そろそろ建て替えようかと思う頃にです。

また税制においても優遇されていますから、
一般の人が買い替えする時よりも、
割安か無税で買い替えする事ができます。

調整区域の代替え地については、
行政によって対応、条件が異なりますので、
詳細にあっては各行政にご確認ください。

いつ事業決定になるのか

ではいつ事業決定になるのかですが、
これは事前には分かりません。
でも、行政の動き、議会の内容などに注意を払っていれば、
事業の時期をつかみやすくなります。

中途半端はダメ

ひとつ気を付けるべき事があります。
それは、敷地全体が道路予定地にすっぽり入っている事です。

敷地の一部が掛かっているという場合は、
その一部分しか買い取ってもらえません。
その場合は道路が出来て煩くなるわ、
敷地は削られるわで、
却って環境が悪化する事があります。

また、半分だけ収用されて、
残りの半分が収用されない事があり、
中途半端で使い道のない土地が残ってしまう事があります。

その場合、代替え地も自己負担をしなければならない事になってしまい、
負担が大きくなってしまう事があります。

自分の家の敷地が計画道路にかかっているかどうか、
またその詳細については、
その道路を予定している行政(国、県、市町村)の
担当窓口に行けば教えてくれます。

もしかしたら、
事業決定時期の情報を入手できるかもわかりません。

道路予定地を購入する場合は、
担当営業マンとよく相談してください。

  • はてなブックマークに追加
2018年07月23日