ガス屋の攻防 仁義なき戦い

旧ブログから編集・転載しています。

今回は、プロパンガス業界の仁義無き戦いの話題。
最近はそうではありませんが、
以前、個別プロパンガスは、切り替えの激しい競争がありました。
その裏側の話です。


ガス会社同士の仁義なき戦い

都市ガスはその地域全体をカバーしているので、
他の都市ガス会社が入り込む事は無いのですが、
熾烈な競争を繰り広げているのは個別プロパンガスの会社です。

新築分譲住宅や、
土地を買って家を注文住宅で建築する人は、
予め建設会社が業務提携しているプロパンガスを使う事になります。

特に建売の場合は、
売主の不動産会社とガス会社が提携していて、
ガス機器やガス配管の設備費を
提携しているガス会社が負担する代わりに、
ガスを供給させてもらうという形態を取っているのが殆どです。

ですから、
ガス会社はいかに不動産業者や建設会社と
良い関係を結んでおくかと言う事が
供給の拡大に繋がるのです

所が、不景気になって来ると
住宅の着工棟数が減ってきて、
ガス会社も新規拡大ができなくなります。

そうなると今度はガス会社同士で、
ガスの切り替え戦争が始まります。


外人部隊

ガス会社は、シェアを広げる為に
すでに他所のガス会社が個別プロパンガスを供給している家へ訪問して、
「我が社のガスの方が安いですよ」
と言って、自分の会社のガスに切り替えしまうのです。

ガスの切り替えを薦める営業部隊は、
供給しているガス会社の社員では無く、
ガス会社から委託を受けた拡張専門の営業会社で、
言うならば外人部隊なのです。

もちろんガスの知識など無く、
一軒いくらの歩合給で、
新聞の拡張員と同じなのです。
とにかく切り替えを薦めるだけの営業をして、
あちこちを回るそうです。
もちろん、契約書の隅々まで説明する事はありません。
これが後のトラブルの元になるのです。

切り替えられた方はたまったものではありません。
ガス機器や配管の費用負担をしているのですから、
最低でも10年ぐらいは使ってもらわなければ採算が取れません。
ですから、
元のガス会社は切り替えしないように説得しに行くのだそうです。


ガスの切り替えには落とし穴がある

お客様も「ガス料金が安くなる!」と喜んではいけません。
その手のガスは落とし穴があるのです。

最初の何ヶ月かは確かに安い料金でガスを供給しますが、
その後ガス料金が上がってきます。
最終的には以前のガスより割高になってしまうそうです。

中には
「向こう何年間はガスを切り替えてはいけない」
という縛りを契約書に書いてある業者もあるそうで、
飛び込み営業で来た外人部隊の営業マンは
そういった説明は一切しないで
ガスの切り替えを薦めるのだそうです。

実際、弊社のお客様からガスの切り替えについて
問い合わせを頂いたり、
甘い言葉に乗せられガスを切り替えて、
その後料金を上げられて
トラブルになってしまったお客様もいらっしゃいます。

弊社では、
入居の際に、その辺りの説明をするのですが、
こういう時代ですから
「ガス料金が安くなりますよ。」
と言われたら切り替えてしまうのも仕方無いのかもしれません。
でも、くれぐれもその辺りの事をご注意ください。

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2018年04月23日