不適格擁壁

擁壁(ようへき)とは
盛り土や崖が崩れない様にする構造物(土留め)で、
コンクリートや石積みを施したものです。

擁壁には決まりがありますが、
きちんと決まりを守っていない擁壁が実に多いのです。

擁壁の基準

擁壁を作らなければならないのは、
宅地造成規正法の区域内(宅地造成工事規制区域)で
高さ1m以上の盛り土をする場合、
その他の区域では、盛り土、切土で高さ2m以上の場合などに
擁壁を作らなければなりません。

擁壁の構造も法律で定められていて、
鉄筋コンクリート・無筋コンクリート・間知石(けんちいし)練積み造
その他の練積み造にする事と定められていて、
この他にも、自治体で定めている物もあります。

基準の高さに該当する擁壁を作る場合は
「工作物確認申請」と「検査」が必要になります。

申請や許可がされているか

購入しようとする物件に擁壁がある場合、
その擁壁は「検査」を受けているか確認する必要があります。
物件の売主が「検査済証」を持っていれば確認ができますが、
検査済証を紛失している時は、役所に行って調べれば、
記録が残っているかもしれません。

無許可の擁壁は建築に制限を受ける

もしも正しく申請されていない(検査済証が無い)擁壁だった場合、
その土地に建築する場合、建物に構造や配置に制限が付く事があります。

もしも擁壁が不適格だった場合、
擁壁のある場所から建物の位置を、
一定距離離れた場所に建築しなければなりません。
離した分の土地は、建築物を建てる事ができないのです。
または擁壁側の基礎を、
かなり深い位置から立ち上げるなどの施工をしなければなりません。

更に擁壁を新しく作り直す必要がある場合もあります。

擁壁工事は高額

擁壁工事は、それなりの規模の工事になり、
工事費用も数百万円単位になります。
工事個所が道路に面していて、
工事をするにあたり支障が無い時でも数百万円は掛かります。
建物が建っていたりして工事に支障がある場合工事費は、
その数倍に及びます。

購入前にしっかり調べる

もしも購入しようとする物件に、
高さ2mを超える擁壁がある場合は、
売主や仲介業者に、
擁壁は法に定められた許可を取っている物か確認しましょう。
もしも許可を取っていない物件の場合は、
工事代金分を値引きしてもらうか、
その物件は避ける事が賢明でしょう。

以外に多い不適格擁壁

新しい擁壁は、きちんと許可を受けている物が多いのですが、
昔造成された擁壁は、
許可を受けていない物が多いのが現実です。

擁壁の下の部分は許可を受けていても、
その上にに無許可で「積み増し」をしているケースも多々ありますから、
注意が必要です。

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2018年06月26日