地震に強い建物 壁式構法
この度の大阪府北部地震でお亡くならた方にご冥福をお祈りいたします。
被災された方にお見舞いを申し上げます。
直下型の阪神淡路大震災や東日本大震災の揺れにも
倒壊しなかった建物があります。
それは「壁式構法」と言われる建物でした。
阪神淡路大震災の時に、
新しい建物でも、倒壊している建物もありました。
周りの家が倒壊しているのに、
何の損傷も受けない建物がありました。
この違いは、建築方法の違いだったのです。
壁式構法
日本の住宅で多く採用されているのは、
木の柱や梁組まれた在来工法です。
在来工法は建築的には「軸組工法」と言います。
阪神淡路大震災でも倒壊しなかった建物は
「壁式工法」で建築された建物でした。
壁式工法というよりも、
ツーバイフォー住宅と言った方が分かりやすいでしょう。
壁式工法には柱や梁がありません。
ポスターパネルの様な壁や床、天井で建物を支えています。
段ボール箱を思い浮かべて頂ければ
分かりやすいと思います。
柱と壁の違い
軸組み工法は、柱がしなる事によって、
揺れのエネルギーを逃がす柔構造です。
一方壁式工法は、六つの面で支える剛構造なのです。
段ボール箱を放り投げても壊れませんよね。
それは、六面体で衝撃を分散するので壊れないのです。
軸組構造の改善
軸組構造は、地震などの揺れで、
接合部分に力が集中し、
耐えきれなくなって、建物が倒壊したのでした。
接合部分を強化するために、
接合金具が改良されたり、量を増やしたり、
筋交いもバランスよく配置する事によって、
耐震性を高めました。
壁式工法の良い所も取り入れて、
躯体の外壁や床下地に
構造用合板を張って、壁式工法の利点を取り入れて
耐震性能を向上させています。
今の建売住宅は丈夫
正直言って、30年前の木造の建売住宅は、
安普請な建物もありました。
しかし、阪神淡路大震災を境に、
耐震性能が大きく見直され、
その技術も年々進化して、
木造軸組構造の建物の耐震性は、
大幅に向上しました。
その進化ぶりは、30年前の建物とは、
比較にならない程です。
基礎も30年前は布基礎が殆どでしたが、
今はベタ基礎と言われる、耐圧版+布基礎が殆どになりました。
その結果、現在建てられている建売住宅は、
耐震性が大幅に向上しているのです。
家具の固定をお忘れなく
建物は丈夫になっても、
室内の家具などを固定しておかないと、
地震の揺れで倒れ、下敷きになってしまう恐れがあります。
阪神淡路大震災の時には、
200Kg以上あるピアノが吹っ飛んで来たと言います。
建物は丈夫になりましたが、
室内の家具なども、
固定するなどの対策を怠ってはなりません。