おとり物件

旧ブログから編集・転載しています。
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おとり物件

ネットニュースで、不動産広告のおとり物件についての記事がありました。

記事によると、近畿地方でのおとり物件広告が多いとの事でしたが、

もう時効なので白状しますが、

この業界に入った若かりし頃、

当時勤めていた会社でもおとり物件広告を出していました。

実際に実在しない物件を広告にして集客をするものです。

通称「爆弾」です。


爆弾

爆弾は、割安な価格設定で公告します。

当然割安の物件ですから、反響があります。

当時はネットがありませんでしたから、反響は電話で受けます。

そして物件を案内するので、来社する様に促します。


首尾よくお客様を来社させたら、

まずはお客様におとり物件を勧めます。

最初から否定してしまうと「騙された!」と思われてしまうからです。

ひとしきり勧めた後に、

その物件は接道が無く、建築できない物件であり、

建築ができないので、安い金額であると説明をします。

するとお客様は「なぁ~んだ。」となりますから、すかさず、

「ちゃんとした物件はこちらです。」と

自分が売りたい物件に振り替えるのですね。


当時はこんな営業活動が普通にありました。

もちろん当時でもそれは違法です。

なので、他社に刺される前に、直ぐに爆弾は引っ込めるのですが、

効果は覿面で、首尾よく契約に結び付けた物でした。


コンプライアンス重視

その後次第に、不動産業界も法令順守の機運が高まり、

おとり広告を出す事は無くなりましたが、

今でも賃貸物件の広告では、

関西方面を中心におとり物件の広告が出されている様です。


今のおとり物件は、

物件自体は実在しているのですが、

既に契約済みである物件を、募集中だとして出している様です。

そして会社にお客様を呼んで、

「問い合わせの物件は、さっき決まってしまいました。」

と言って、自分が勧めたい物件に振り替えるのです。

昔からやる事は変わりませんね。

しかし、こんな事をやっていると、会社や業界の信用を失う事になります。

そしてその結果、消費者が不利益を被る事はもちろん、

会社や業界自体も不利益を被る事になります。


目先の利益を追求するあまり、

将来の利益を失う事になり、

おとり広告については、業界人としても止めてもらいたいと思います。

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2018年05月28日