シェアハウス 銀行の責任
シェアハウス運営会社スマートデイズが破たんし、
投資をしたオーナーが、多額の負債を負いました。
その背景には、銀行の不正融資があった様です。
シェアハウス
シェアハウスとは、
自分の部屋とは別に、
キッチンなどの水回りを中心とした共用スペースを
共有する賃貸住宅のスタイルの事です。
シェアハウスは、一般の賃貸住宅に比べ、
初期費用や毎月の費用を安価にできる事が魅力で、
デフレ経済化で普及しました。
共用スペースは、入居者同士が交流できるラウンジがあり、
同じ趣味を持つ入居者を集めたシェアハウスや
シングルマザーを支援するシェアハウス、
起業家を支援するシェアハウス、
就職支援をするシェアハウスなど、
特徴ある物件もあり人気があります。
相続税対策
相続税の対象金額が引き下げられた事から、
相続税対策の為に、
賃貸住宅を建設したり、購入したりする動きが活発にあります。
その様な事から、シェアハウスも注目され、
近年、シェアハウスに投資するオーナーも増えています。
運営会社の破たん
女性向けのシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営する
スマートデイズが破たんしました。
スマートデイズはシェアハウス用の物件を販売、管理する会社で
オーナーには、購入の為の融資あっせんも行って居ました。
スマートデイズはオーナーに物件を購入してもらい、
それを借り受け転貸する「サブリース」を展開していました。
オーナーに対しては家賃保証をして、
入居者が集まらなくても、
スマートデイズが賃料をオーナーに支払うとしていました。
所が、平成30年4月に、
オーナーへの賃料支払いができなくなってしまいました。
銀行も加担?
スマートデイズは、オーナーに物件を購入する際の融資を
スルガ銀行から融資を受ける様にあっせんしていました。
スルガ銀行では、
スマートデイズから紹介された顧客が
融資が受けられる様に、
預貯金の水増しや年収を水増しした書類を提出された事を知りながら、
融資をしていた事が明らかになりました。
融資を実行する見返りとして、
スマートデイズからリベートを受けたり、
接待を受けていた様です。
本来は融資が受けられない
この様にしてスマートデイズは顧客を獲得して行きましたが、
それは本来融資が受けられず、
物件を購入できないオーナーによって成り立っていたのでした。
その結果、スマートデイズが経営破たんし、
オーナーに賃料が入らなくなり、
返済が出来なくなり、
オーナーは多額の負債を負う事になってしまったのです。
刑事告訴
シェアハウスのオーナー達は、損害賠償請求の民事裁判を起こすと共に
スルガ銀行に対しても不正融資の疑いがあるとして、
刑事告訴するとしています。
金融庁もこの件を重大視し、
不正融資は組織的だった可能性が高いとして、
行政処分を検討しているとの事です。
事件の背景
現在低金利が続き、少子高齢化で不動産の一次取得者が減少しているため、
住宅ローンの収益率が下がり、中には住宅ローンから撤退する銀行もあります。
そうした事から、何とか融資を伸ばしたいという銀行の思いが、
この事件の背景にあるのでは無いかと思います。
シェアハウスを運営したい会社、
相続税対策をしたい顧客
それを支援する銀行。
本来融資してはならない事業に融資した為に起きてしまった事件だと思います。
多額の負債を負ったオーナーは救われません。
銀行が行った不正融資は、罪深いものだと思います。