建設業界 未だデフレ

旧ブログから編集・転載しています。

ホントに景気回復?

世間では、建設関係は景気が良いと言われ、
それは職人が足りない程だと言います。
しかしそれには少し違和感を持っていました。
そんな時、ある職人さんからこんな話を聞きました。


現場はデフレ

ある職人さんから、こんな事を言われました。
職人
「もしリバティさんで、外構工事で職人が足りない時は、声を掛けてください。」

「どうしたのですか?いつも声を掛けているじゃないですか。」
職人
「いやいや、俺じゃないんだよ。
 実はさ、知り合いの基礎屋がいるんだけどさ、
 仕事は建売の仕事をやっているから、
 切れ目なくあるんだけれど、
 その金額が安くて、全然もうからないんだよ。」

「どういう事ですか?」
職人
「数はあるって言ったって、月に3本ぐらいで、
請け金額が安いから、経費支払ったら粗利益で10万円ぐらいしか残らないだってさ。
しかも現場が遠い時には更に交通費が掛かるから、
ただ働いているだけで、全然儲からないんだってさ。」

「へー、建売は結構数があるから良いかと思ったら、
そんな事ないんですね。」
職人
「そうなんだよ。赤字とは言わないけど、食うのが精いっぱいなんだってさ。」

「そうなんですか。」
職人
「だからさ、何か仕事があったら、声を掛けてやりたいんだよ。」

「なるほどね、分かりました。」


ぬるま湯

建売住宅の契約上の建物価格は、
坪単価で計算すると、坪当たり30万円程度になります。
これはあくまでも契約上の価格ですから、
この価格で建物すべてができる訳ではありません。

しかし、それに近い金額で建物を建てているとすれば、
当然そのしわ寄せは現場に行く訳です。

今の住宅の基礎は、殆ど耐圧版基礎(ベタ基礎)ですから、
布基礎にくらべたら、
鉄筋も、コンクリートも使う量が多いので、費用が掛かります。
検査もありますから、手抜き工事もできません。
それで工事金額を叩かれたら、利益が十分に取れない事になります。

それはまるで
「ぬるま湯に入っている様だ。」
と言っていました。
「入っていればぬるいし、出れば寒い。」
都心の建設業界は良いみたいですが、
首都圏郊外の建設業界の末端は、
まだまだ厳しい様です。

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2018年04月25日