鳩の巣とダニ被害
「軒裏に鳥が巣を作ってしまった。
ダニが発生して困っている。何とかしてほしい。」
という連絡が時々あります。
今回もそんな連絡を受けたのでした。
ダニが天井から落ちてくる?
連絡を受けた現場は、あるマンションの一室。
その部屋はリノベーションされた部屋で、
鳩が巣を作り、ダニが発生しているとの事です。
調べてみると、キッチンの位置が変更され、
元換気扇があった場所に鳩が巣を作り、
そこがダニの発生元だという事が分かりました。
換気扇があった所の室内側は、
内側から板が貼られていますが、
4階と言う事もあって、外側の開口部は塞がれておらず、
そこに鳩が巣を作ってしまった様です。
ダニの経路
「ダニが天井から落ちてくる。」
との事でしたが、
天井は板で密閉されていますから、
天井から落ちてくるとは思えません。
どうも照明器具の配線穴からダニが出てきている様でした。
更に出窓を潰して棚にしてある所があり、
その棚の下の部分にダニの死骸があるのを見つけました。
棚をよく見てみると棚の枠と壁の間に隙間があり、
どうやらそこからダニが室内に入ってきている様でした。
ダニの対処
鳥の巣に鳥はいない様ですが、
そこがダニの発生源になっているのは間違え無い様です。
消毒業者によると、
ダニは「トリサシダニ」という、
鳥に付くダニだとの事です。
とりあえず天井の一部を剥がし、
消毒業者により消毒薬を噴霧して天井裏を消毒しました。
ダニを殺しただけでは問題解決しません。
ダニの死骸が、アレルギーなどの発生源になるので、
天井を剥がして作り直します。
下地まで壊して作り直すと大変なので、
下地は元の物を使います。
しかし下地の上にもダニの死骸がありますから、
まずは次亜塩酸薄め液(漂白剤)を噴霧します。
次亜塩酸はダニの死骸が発するアレルギー物質を
分解する効果があるのだそうです。
その後下地を次亜塩酸薄め液で湿らせた雑巾で拭き、
さらに残った死骸が落ちて来ない様に、
下地にガムテープを貼ります。
そうして新たな天井板(耐火ボード)を張って仕上げます。
換気扇の外側の開口部は、
窓から手を伸ばせば届きそうなので、
古い換気扇フードを取り外し、
ステンレス板を張り付けて、
編成シリコンで隙間を塞ぎます。
余計な出費
今回は鳥の巣が原因でしたが、
コウモリが天井裏や雨戸の戸袋に入り込んで
トラブルを起こす事があります。
まずは侵入場所を塞ぎ、
消毒をして、
問題の部分を撤去して改めなければならず、
その総額は数十万円にも及びます。
新築・中古住宅問わず、建物の構造によっては、
鳥やコウモリが入り込んで悪影響を及ぼす事があります。
もしも鳥やコウモリなどが天井裏に入り込んだ事が分かったら、
早めに対処した方が、
時間が経ってから対処するよりも、
その費用は圧倒的に低く済みます。
「実害が無いからいいや。」
と思って放置しておくと、
後で大変な事になりますから、
早めの対処が肝心です。