『代官山HORROR 悪魔の棲む街』    

 ビデオ映画。石井てるよし監督。
 当時でもよもやこれを面白いという人は皆無だったでしょうが、今見ると80年代日本のかっこ悪さを煮詰めたかのようです。かく言う墓守ですが、一時期この近辺に住んでいたという理由で多少楽しんでしまいました。このように自分たちに馴染みの土地や自分たちのライフスタイルを題材に採り上げて描写し、自画自賛する様は醜悪至極。まるでホイチョイです。反省することしきりでした。
 タレント志望の少女3人が、最後の試練、満月の夜の代官山めぐりに挑戦する。そして意味(というより制作者の意図)のわからぬことが次々と起こる。ゾンビらしきものをはじめ、様々なモンスターが登場。

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『大正四谷怪談』    

 伊右衛門に藤原竜也、お岩に松井誠、直助に田山涼成、お袖に寺島しのぶ、以上4人のみの舞台。栗田芳宏演出、岸田理生脚本。ビデオで見ました。
 伊右衛門は悪を悪とも思わぬ冷酷漢。父殺しと知りながら伊右衛門に尽くすお岩。道ならぬ恋に苦悩する直助、お袖の兄妹。…藤原竜也ファン以外には楽しめなくても構わないのですが、時代を大正にする意味は理解できず、納得できません。

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『ダイハード・ビクセン 地獄の巨乳戦士』    
Tower of Terror

 高層ビルで半裸の巨乳美女たちが銃を乱射する映画。看板に偽りなし。ジム・ウィノースキー製作・監督。"Hard to Die"という英題もあります。
 高層ビルの下着会社でバイト中の美女5人(諸事情で全員下着姿)が、一人また一人と殺されていく。殺人鬼と噂される管理人オービルの犯行かと思われたが、誤配されてきたエジプト風パズルボックスに入っていた悪霊の仕業だった。
 悪霊の正体は不明ですが、人間に憑いて殺人鬼に変えます。この悪霊が起こした過去の大量殺人(未解決事件)の唯一の生き残りがオービルだったわけです。悪霊に憑かれた美女とオービルが戦いますが、なぜか二人とも不死身で、機関銃の弾を何十発食らっても一向に死ぬ気配がありません。二人ともアンデッドと呼んでいいでしょう。

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『ダーク・シティ』    
Dark City

 『クロウ』のアレックス・プロヤス監督。レム・ドブス、デビッド・S・ゴイヤー(『ブレイド』シリーズ)脚本。墓守は『マトリックス』よりこっちの方が面白かったと思うのですが、世間的にはマイナーですね。
 記憶をなくした男ジョン・マードックは、娼婦連続殺人犯として警察に追われ、さらにストレンジャーと呼ばれる怪人たちにも追われていた。…昼のない町ダーク・シティは、宇宙人ストレンジャーが超能力で作り上げたもの。いろいろな記憶を植えつけた人間をここに住まわせ、観察することで、彼らは人間の「心」を学び取ろうとしていたのだ。超能力を発現させ、記憶操作を逃れたのがマードックだ。
 ストレンジャーは普段、人間の死体をのっとって活動しています。脳に巣食う本体は、半透明のタコのような生物です。

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『ダーク・スター』    
Dark Star

 ジョン・カーペンター監督・脚本。共同脚本のダン・オバノンも出演。両者のデビュー作となります。
 不安定な惑星を爆弾で破壊する宇宙船ダーク・スター号の乗組員たちは、極限まで退屈な日々を送っていた。ある日、磁気嵐による故障で爆弾が投下されないという事故がおきた。このままでは爆弾が船内で爆発してしまう。乗組員たちはコンピュータを説得して爆発を解除しようとするが…。
 船長のパウエル中佐は何年も前に死に、冷凍保存されているのですが、なぜかコンピュータを通じて話をすることだけはできます。

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『タクティクスオウガ』    
Tactics Ogre

 クエストが出したスーパーファミコン用ソフト。伝説の名作『伝説のオウガバトル』の続編で、立体的地形の上で人やモンスターを戦わせる戦術級シミュレーションゲームです。
 ファンタジーもののゲームにアンデッドが出るのは普通なのですが、この作品にはアンデッドファンには看過し得ぬ恐ろしい魔法があります。それは「ネクロマンシー」「リーンカーネイト」という二つの呪文です。
 戦闘で死んだ仲間に「ネクロマンシー」を使うと、人間として復活するのではなく、アンデッド(スケルトンゴースト)に変身してしまいます(依然味方として使えます)。そして味方のアンデッドに「リーンカーネイト」を使うと、人間に生まれ変わります。この生まれ変わりはレベル1のペーペーのはずが、能力は転生前からわずかに下がっただけ。限界まで育ててから2つの魔法をかける、という過程を繰り返せば、全パラメータが999のキャラクターが作れます。これは常人の数百倍の速度で活動する化け物です。
 ファンは物語そっちのけで超人作りに勤しみました。仲間を殺しては転生させる行為の後ろめたさは、他ではちょっと味わえない貴重な体験です。またこの作品には仲間を強力な剣に変えてしまう(不可逆)魔法もあって、これもなかなかの後味の悪さです。

シリーズ作品:
 『伝説のオウガバトル』
 『タクティクスオウガ』
 『オウガバトル64』
 『伝説のオウガバトル外伝 ゼノビアの皇子』
 『タクティクスオウガ外伝』

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『たたり』    
the Haunting of Hill House

 旧邦題『山荘綺談』。シャーリイ・ジャクスンの小説で、20世紀のベスト英語ホラー小説という高い評価を受けています。『たたり』『ホーンティング』の題で2回映画化されています。
 心霊現象の有無を確かめるために、評判の幽霊屋敷「丘の屋敷」にやってきた博士と3人の被験者。主人公エレーナの心理を克明に追いながら、いるのかいないのか遂にわからない不気味なたたりの存在を示唆。徹底的に雰囲気を醸し出していく作品です。つまり、幽霊(など)は出てきません。
 ずっと主人公エレーナの視点で描かれているため、読者は「この人の気のせいなだけで本当は霊などいないのでは?」と思い続けることになります。これはかなり野心的な挑戦だと思います。「一人称で心霊現象を描く」あるいは「三人称で異常心理を描く」ことは難しいことです。「三人称で心霊現象を描く」には「おばけが出た」と書けばいいし、「一人称で異常心理を描く」には語り手におかしなことを言わせればいいのですが、逆の場合は間接的な表現にならざるを得ません。この作品の挑戦が成功したという証拠は、物語後半、モンタギュー夫人が乱入してプランシェットを使うエピソードにあると思います。不快な第三者が主張することで、にわかに霊の存在が真実味を帯びてきます。一方、映像はもともと三人称なメディアなので、映画でこの小説を再現しようとしてもなかなかうまくいきません。『たたり』は一人称な映像を目指して失敗し、『ホーンティング』は三人称と割り切った時点で凡作は決定でした。

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『たたり』    
the Haunting

 シャーリイ・ジャクスン原作、ロバート・ワイズ監督。幽霊屋敷ものの名作とされています。後にヤン・デ・ボンにより再映画化されました。
 原作のテイストを忠実に再現しようという意図が窺えますが、成功しているとは思えません。
 ラップ音やドアの開閉、隙間風などだけで幽霊の存在が示唆されますが、幽霊が姿を見せることはありません。これにより本当に心霊現象なのか、異常心理なのかは判断できないようになっています。原作ではモンタギュー夫人という部外者が登場し、主人公らとは別のメソッドで霊の存在を追認するシーンがあるのですが、この映画にはそれがないため、「霊はいるのかいないのか? いないとすればこんなつまらない話はないぞ」と思っているうちに終わってしまいます。サイコな映像に慣れた現代の観客には、この程度では超自然の存在がいると思わせることはできないのです。
 当時はまだ少なかったかもしれませんが、現代では逆に「映像上は霊が出てくるが、実在するかはわからない」という方向の映画が増えています。観客が慣れてきて映像文化全体の水準が上がり、大衆向けの映画の中でも心象風景を描写できるようになったのでしょう。それから、心霊現象より異常心理の方を怖いと思う人が多くなった、つまり「見えないけれど本当は幽霊がいるのでは?」という恐怖より、「幽霊とか言ってるけど本当は自分が犯人では?」という恐怖の方がポピュラーになったというのも理由の一つでしょう。
 また、原作を再現しようとしたのでしょうか、時折主人公のモノローグが入るのですが、これがなんとも興醒めです。映画では本来登場人物の感情は、台詞の端々や仕草で表現しきらなければならないものです。見たところ、演技演出に問題はない(モノローグなしでもだいたい思っていることがわかる)ので、これも当時の観客のリテラシーの問題かもしれません。
 もちろん、制作された1963年当時でもこの映画が既に時代遅れだったかもしれません。墓守などは白黒だとすぐ古い映画だと思ってしまいますが、『サイコ』などより新しい映画なのです。

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『TATARI』    
House on Haunted Hill

 ウィリアム・マローン監督。ロバート・ゼメキス、ジョエル・シルバー製作。『地獄へつヾく部屋』のリメイク。
 金持ちの遊園地プロデューサー夫妻が開くパーティーに、見ず知らずの5人が招待されます。会場はかつて狂気の外科医が患者を殺戮した精神病院の廃墟。朝まで生き残れたら百万ドルもらえる、という趣向でしたが、夫妻の仕掛けたトリック以外の出来事が次々と発生していきます。お化け屋敷の雰囲気作りという面ではかなり頑張っていますが、話がつまらないし、全く怖くないので駄作としか言いようがありません。
 物語の前半では、幽霊はビデオには映るけれども目には見えない、という形式で登場します。後半には黒い煙のような幽霊が登場し、人を襲います。この幽霊は火災で死んだ病院のスタッフと患者のようです。
 主人公プライス氏のキャラクターですが、まず名前が原作『地獄へつヾく部屋』で主人公ローレンを演じたヴィンセント・プライスと同じ。容姿もそっくりです。職業がホラー遊園地の仕掛け人という設定は、原作の製作者ウィリアム・キャッスルから来たものでしょう。この人はギミックシネマ(劇場で椅子が振動したり死体の人形が落ちてきたりする)を多数手がけたことで有名です。付け加えると、今作の製作者たちはこの映画のために「ダーク・キャッスル・エンタテイメント」というプロダクション会社を立ち上げています。

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『TATARI02』    
Hell Asylum

 朝まで耐えたら百万ドル! という番組のために幽霊屋敷に集められた美(?????)女5人。やらせ番組のはずが、脅かし役のスタッフから次々に謎の死を遂げていく。
 『スクリーム』風に黒装束&仮面の殺人者たちは、どうも幽霊のつもりらしいです。明白に『TATARI』の便乗企画で邦題もしかりですが、どうせならもっと面白い作品に便乗した方が良いでしょう。チャールズ・バンド製作総指揮はまあいいとして、監督のダニー・ドラヴェン、脚本のトレント・ハーガというのはJ.R.ブックウォルター(自身は製作)の一味。最初から面白いはずはないのです。墓守は怒らないだけで精一杯でした。

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『ダムド 呪いの墓場』    
the Damned within the Shadows

 ヴィンス・ディ・メッリオ監督は『死霊のいけにえ』を撮った人。特殊効果とかの能力はある程度感じ取れるのですが、それですらもっとお金をかけないと話になりません。
 大統領候補暗殺の証人であるエドワードは、妻アリスと共に郊外の隠れ家に保護されることになった。だがそこでは母娘の幽霊が現れるなど次々と怪奇現象が起こり、二人とシモンズ捜査官は狂気に陥る。かつてその家で起こった殺人事件の真相とは?

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『タロス・ザ・マミー 呪いの封印』    
Talos the Mummy

 『ハムナプトラ』に先立って公開され、ミイラブームの火付け役となった(けど忘れ去られた)映画。ラッセル・マルケイ監督。ジェイソン・スコット・リー主演。クリストファー・リーがカメオ出演してます。
 ギリシア人呪術師でアメンホテップの廷臣タロスは政争に破れて追い詰められ、自らの内臓を信徒らに食わせた。そして3千年後。タロスの墓が発掘され、骸布だけを納めた棺は大英博物館に渡った。骸布は信徒の転生者たちを襲い、内蔵を奪っていく。惑星直列の日にタロスは復活するのだ。…ちょっと意外な結末。途中がテンポ悪いので「ああそうなの」程度ですが。
 ミイラと称していますが実際には包帯のモンスターです。ほどけた状態で隙間から侵入し、透明人間風に人型になって相手を襲います。

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『箪笥』    
a Tale of Two Sisters / 薔花、紅蓮

 キム・ジウン監督。韓国の怪談『薔花紅蓮伝』を土台に大幅にアレンジ。
 スミ、スヨンの姉妹が父と若い継母の待つ家に帰ってくる。二人はことあるごとに継母に反発し、継母もスヨンに虐待を加える。さらに三人は少女の幽霊を目撃するのだが、父は鎮静剤を飲んで休めと言うだけで本気にしない。一体何が起こっているのか?
 ボタバラ風ヘンゼルとグレーテルといった趣の前半は良い雰囲気なものの、後半種明かしをした後はありきたりな今風のサイコ劇になってしまいます。怖さが売りの幽霊も幻覚というオチですが、叔母が目撃しているのでやっぱり何かが存在するんでしょう。(といった具合に矛盾が多い種明かしです。)

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『箪笥〜薔花紅蓮〜』    

 映画を古結あかねがマンガ化。
 ストーリーを追っているだけで、映画の持つ絵的な濃密さは再現されていません。連動商品としてはイマイチだと思います。

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