『VERSUS』    
Versus

 北村龍平監督によるアクション映画。ホラー映画との意図はないようです。
 「よみがえりの森」と呼ばれる場所で、池上遼一キャラのような濃い顔の男たちが延々と戦います。この森では、人間は一度死んでもゾンビのようなものとして甦り、肉体に大きな損傷を受けるまでまた戦うことができます。同じ役者を2回ずつ戦わせるための方策でしょうか。500年前の前世での戦いのシーンもあるので合計3回ですが。
 最初の30分で終わればよかったのですが、後半はだれてきます。あとヒロインが途方もなくブスで、作品が作品として成立しなくなる寸前まで来ていると思うのですが、どうでしょうか。それ以外は面白い作品でした。

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『ヴァージニア』    
Tale of a Vampire

 佐藤嗣麻子監督。ジュリアン・サンズ主演。
 吸血鬼アレックスは、図書館の司書アンに昔の恋人ヴァージニアの面影を見る。だが親密になっていく二人の前に、アレックスを追う謎の男が現れた…。
 後の佐藤嗣麻子のノリからは想像もつかない淡白で緩い映画。セットや演技は良いかもしれないけれど、総じて言えば退屈。

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『ヴァルキリープロファイル』    
Valkyrie Profile

 トライエース製作、エニックス発売のPS用アクションRPG。
 ゲーム史に燦然と輝く名作。アンデッドファンなら絶対やる義務がある作品です。
 何がアンデッドかといって、主人公がヴァルキリーなので、味方のキャラ(20人ぐらい)は全員エインフェリアエインヘルヤル)、つまり死人なのです。だから仲間が増えるときには、各々が死ぬシーンがあるのですが、これがもう『太陽にほえろ』殉職シーン集のような凄まじい死にっぷり。悲恋の果ての非業の死から、謀殺されての憤死まで、往生には程遠い死に様の連続は必見です。

 この作品に登場するアンデッドモンスター:
アキューズド・ワン/アンデッドカーカス/アンデッドスレイブ/アンバリィデッド/アンホーリィテラー/ヴァンシー/ヴァンパイアロード/ヴェノム/エルダーヴァンパイア/オービタスドラゴン/ガスト/カロン/グール/クラインソウル/グレイシーボーン/グレイブミスト/ツタンカーム/デイモニックバロン/トゥースォードフェンサー/ドラゴンゾンビ/ドラゴントゥースウォーリア/ドロウシャーマン/ナイトフィーンド/ネクロセンチピード/ネクロマンサー/ネクロンアイデアス/ノーブルヴァンパイア/ホーント/マミー/ラム・ガーディアン/ラルヴァ/リッチ/リビングバイパー/リブフォーリジャー/レイス/レイス・ロード/レッサーヴァンパイア/レッサードラゴン
アズタロサ/ウォルザ/J・D・ウォルス

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『ヴァンパイア』    
Vampyr

 カール・テオドール・ドライヤー監督。30年代の吸血鬼映画。
 一応トーキーですがほぼサイレントで、映像もぼんやりしており、何が起こっているのかわかりません。隔靴掻痒という感じです。制作者の意図も理解しきれぬ部分があり、古代遺跡を見るかのようなミステリアスさがあります。大鎌を持つ男、影が本体とは別に行動するモンスター、幽体離脱、自分の葬式の夢、吸血鬼に協力するマッドサイエンティストなどなどのイメージが次々と登場して雰囲気を盛り上げますが、吸血鬼自体はそんなに出てきません。

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『ヴァンパイア』    

 高橋由紀のマンガ。作者の吸血鬼マニアが高じて描いた作品だそうで、現在2巻まで出版されています。
 1話完結型の短編形式で、18〜19世紀の英国などを舞台に、吸血鬼アレイストに関わって道を踏み外す人々の話が描かれています。愛する相手を永久に自分のものにしたいという人の業が、吸血鬼という悪に堕ちる罪悪感に勝る、つまり「愛>倫理」という図式のエピソードがほとんどです。しかし短編ゆえの描写不足か、あるいは時代考証などがいい加減だからか、人々が如何ほどの倫理観を持っていたのかよくわからず、結果として愛の大きさもはっきりしません。なので現代を舞台にしたエピソードなどもほしいところです。

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『ヴァンパイア』    
Darkstalkers

 カプコンの2D対戦格闘ゲーム。本質的には『ストリートファイター』シリーズと大差ないのですが、キャラクターを人間ではなくモンスターにしたことで、人間離れしたケレン味のある技が出るようになりました。また、アニメーションパターン数が大幅に増えて、キャラクターのヌルヌルとした動きが楽しめるようになっています。
 墓守はリーチが長いキャラが好きなので、ずっとザベルを使っていました。

 このシリーズに登場するアンデッドモンスター:
アナカリス(ミイラ)/ザベル(ゾンビ)/デミトリ(吸血鬼)/ドノヴァン(ダンピール)/ビシャモン(悪霊侍)/レイレイ(キョンシー
(ここの吸血鬼、ダンピールはアンデッドかどうかよくわかりません。)

シリーズ作品:
 『ヴァンパイア』
 『ヴァンパイアハンター』
 『ヴァンパイアセイヴァー』
 『ヴァンパイアセイヴァー2』
 『ヴァンパイアハンター2』
(他にも「EX−EDITION」などといった派生作品も多数あります。)

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『ヴァンパイア・イン・ブルックリン』    
Vampire in Brooklyn

 ウェス・クレイヴン監督、エディ・マーフィ主演・製作の吸血鬼映画。
 吸血鬼最後の生き残りマクシミリアンが、血族を探すためにカリブからブルックリンにやってきた。吸血鬼と人間の娘リタ(刑事)はすぐ見つかるが、本人の同意がなければ彼女を吸血鬼にすることは出来ない。吸血鬼の魔術を駆使した誘惑が勝つのか、それともリタとジャスティス(相棒)との愛が勝つのか。
 エディ・マーフィ演じる吸血鬼は、色男でいたくまじめな人物です。ただ巧みな変装術(エディ・マーフィーだし)などを駆使していながら、やることといったらリタの好きな食べ物を聞き出すとか、ジャスティスの悪い噂を広めるとか、そういうせこいことばかりで苦笑してしまいます。お笑いはジュリアスというキャラの担当ですが、彼は吸血鬼の血を与えられ、グールと呼ばれる下僕になります。彼の体は日ごとに破損していくのですが、吸血鬼でない彼はそれを修復することが出来ません。グールが吸血鬼になれるかは運次第のようです。この2人のアンデッド以外は今ひとつ魅力がなく、存在感がありませんでした。

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『ヴァンパイア・KISS』    

 松本夏実のマンガ。
 吸血鬼の子孫である小泉宝は16歳の女子高生。サッカー部の青山健人に憧れてマネージャーになる。
 宝と姉の都は吸血鬼とはいえほとんど人間です。日光に当たっても貧血を起こす程度で、血をときどき飲んでも相手を吸血鬼に変えることはありません。一方、緋月右京ら純粋吸血鬼は不死のモンスターで、相手に血を与えることで繁殖するようです。

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『ヴァンパイア 黒の十字架』    
Vampires: los Muertos

 トミー・リー・ウォーレス監督、ジョン・カーペンター製作総指揮で『ヴァンパイア・最期の聖戦』の続編。とはいえ主役は別人(ジョン・ボン・ジョヴィ)で、予算もかなり低い感じです。
 吸血鬼ウナらはメキシコの修道院を襲って黒い十字架を奪い、ハンターのデレクをおびき出すために偽の依頼をした。デレクは役に立たなさそうな仲間たちと共にウナと対決する。…仲間とは、パシリ坊主のロドリゴ、薬で吸血鬼化を防いでいる咬まれ女ゾーイ、夏休み中の少年サンチョ、閉所恐怖症のハンターや村の老人のことです。
 ゾーイ役のナターシャ・グレッグソン・ワグナーは『バッフィ/ザ・バンパイア・キラー』に、ウナ役のアーリー・ジョバーは『ブレイド』に出てます。瑣末ですが。

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『ヴァンパイア・最期の聖戦』    
Vampires

 ジョン・カーペンター監督。
 アメリカ中南部。一仕事終えたヴァンパイアハンターたちが、ヨーロッパから来た強力な吸血鬼ヴァレクに襲われる。生き残ったジャック(ジェームズ・ウッズ)とトニー(ダニエル・ボールドウィン)は、咬まれた女(シェリル・リー)と咬んだ吸血鬼との交感能力を利用してヴァレクを追った。途中教会に寄ってアダム神父を仲間に加えると共に、ヴァレクの目論見を知る。黒い十字架とヴァンパイアハンターの血を用いた儀式をすれば、吸血鬼は太陽光に耐性を持つ不死身の存在になるというのだ。
 なぜかアメリカの吸血鬼は南部に多いのですが、この手の埃っぽい吸血鬼映画ではこの作品が最高峰です。聖騎士(ハンター)の血が儀式に必要だというのはOKですが、その聖騎士がグラサン、革ジャン、くわえタバコといういでたちなのが面白いところです。

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『HATU ヴァンパイア・シンドローム』    

 「はーつ」と読みます。友松直之監督、原田篤主演のドラマ。主演女優が代わる3部構成で、ビデオも3巻組。昔風の脚本とか演出とかがポルノ映画みたいです。それを通り越して、演劇みたいですね。かっこ悪い。見ているうちにこの泥臭さが楽しめるようになってくるのがまた不思議です。
 定時制高校の教師由紀子(三輪ひとみ)は、不思議な転校生坂口明に惹かれていく。彼の伯父で保護者の坂口医師は、明が吸血鬼だと明かすが、近辺で起きている連続吸血殺人事件と何か関係があるのか。
 吸血鬼事件を追うルポライター礼子(村田和美)は、坂口明が犯人ではないかと疑う。明は真犯人ヒデノリを探し当てるが、ヒデノリは吸血鬼撲滅委員会の放った刺客ホワイトファングに抹殺されてしまった。
 日本中の吸血鬼の親である佐伯健太郎(雨宮良)は、吸血鬼撲滅委員会と結託して子たちを殺し、愛する明と二人で新しい吸血鬼社会を築こうとしていた。そのためには、明の恋人沙織(中村愛美)は邪魔者であり、殺さなければならない。
 墓守は前々から、近現代日本を舞台にした吸血鬼もので731(帝銀事件、ミドリ十字、薬害エイズを含む)に触れないのは外道だと思っておりました。わずかとはいえ言及している作品が現れたのは嬉しく思います。

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『ヴァンパイア・ハンター』    
the Forsaken

 J.S.カーダン監督の吸血鬼映画。
 アメリカ南部のド田舎。バイトでベンツを移送中のショーンは、ヒッチハイカーのニックを拾った。だがニックはヴァンパイアハンターで、ショーンも人間対吸血鬼の戦いに巻き込まれる。
 細かいカット割りでフラッシュバック的に吸血鬼化している人の見る幻覚を表現していますが、あまりうまくいっているようには見えません。映画全体としては、例えばカーペンターの『ヴァンパイア・最期の聖戦』と比較してどうなのか、何か優れている要素があるのかと考えたのですが、ニック役のブレンダン・フェアがかっこいいことと、設定がちょっと珍しいことが挙げられるかと思います。
 堕ちた十字軍士8人がトルコにて悪魔アバドンと契約を結び、仲間の血を飲んだのが吸血鬼の起源。現在まで生き残った4人のうちの1人が今回登場する吸血鬼です。彼に咬まれると約1週間で吸血鬼になりますが、それまでに彼を殺せば人間に戻れます。また、薬を飲めば2年ぐらい吸血鬼化の進行を止めることができます。同じ吸血鬼という現象でも、800年前は「呪い」、現代は「ウイルス」が原因で生じているという台詞は注目。

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『ヴァンパイアホスト』    
the Vampire Gigolo

 テレビ東京系で放送されたドラマ。大根仁演出、福田卓郎脚本。原作は由貴香織里『夜型愛人専門店』
 女子高生の莉音(小向美奈子)は友人の失踪事件を機にホストクラブ「クランケンハウス」でバイトするようになる。そこのホスト蘇芳(松田悟志)は本物の吸血鬼だった。…二人は透明人間、人狼、死神といったモンスター系の事件を次々と解決していきます。毎回、本当に恐ろしいのは人間だ、というオチ。蘇芳は江戸時代生まれの200歳でアンデッドかどうか不明ですが、玲羅など元人間の吸血鬼も登場します。
 歯切れ良いコミカル演出に松田悟志がマッチしてます。それと、小向美奈子のコスプレやゲスト出演するアイドルの揃え方が絶妙で楽しめました。

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『吸血大決戦! ヴァンパイア黙示録』    
Angel of the Night / Nattens Engel

 シャーキー・ゴンザレス監督。デンマーク映画。語り口が拙くて全体的につまらないのですが、何ヶ所か映像的に面白いところがあります。数十年前の話を現代のセットと衣装で撮影してるかと思えば、わざわざペルーに行ってみたり、とってつけたように話の本筋と関係ないアクションシーンがあったりと、かなり計画性の低さを感じます。
 レベッカは祖母の遺した屋敷に行き、友人たちに先祖リカードの話を始める。19世紀、吸血鬼(コウモリ怪人風)狩りに参加した司祭リカードは、咬まれて吸血鬼リコになった。その百年後、リコは命を延長する儀式に失敗し、コウモリの骨と化してしまった。なぜかレベッカは自分の血をそれにかけてしまい、リコが復活する。
 命を延長するためには、選ばれた女に自分の子を産ませ、その子の血を吸います。これで寿命が百年延びるそうです。で、そのマリーという女は聖水を飲んで子供を堕ろしてしまいました。

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『ヴァンパイア・レスタト』    
the Vampire Lestat

 アン・ライスの「ヴァンパイア・クロニクル」シリーズ2作目。映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』の原作です。
 前作『夜明けのヴァンパイア』にも登場する吸血鬼レスタトが自分の半生を語る形式です。前作では語られなかったレスタト出生(死亡)のエピソードや、後の作品につながる様々なキャラクター、吸血鬼の秘密の歴史について語られます。前作と共通の登場人物も、視点人物が違うのでまた異なった捉えかたをされています。
 ストーリーらしいストーリーがなく、楽しめませんでした。次々と華麗なヴァンパイアが登場しては去り、そのキャラクター性がただただ消費されていくだけの展開は、出来の良いキャラ萌え同人誌といった印象です。

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『ヴァンプに薔薇薔薇』    
the Vamp with Rose & Rose

 飯坂友佳子のマンガ。この作品の吸血鬼アンデッドではなさそうです。それと、普通は吸血鬼のことを「ヴァンプ」とは言いません。なぜ「ヴァンプ」なのか、橘裕『もしかしてヴァンプ』との関係は?…と疑ったのですが、あとがきによると編集者のつけたタイトルだそうです。
 吸血鬼(と人間のハーフ)レイは子供の時の約束どおり、満里奈(高校生)と結婚するために来日する。これは血を吸われて満里奈も吸血鬼になることを意味するが…。

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『ヴァン・ヘルシング』    
Van Helsing

 スティーヴン・ソマーズ監督。ドラキュラにリチャード・ロクスバーグ、ヘルシングにヒュー・ジャックマン。
 ドラキュラは何千人もの自分の子供(死人の子供だけに全部死児)に命を与えるため、フランケンシュタインに生命創造の研究をさせた。バチカンから派遣されたハンターのヴァン・ヘルシングが、ロマ族の王女アナらと共にこれを阻止せんと戦う。…主人公のヘルシングですが、正体が大天使ガブリエルだったり、最後は人狼と化して戦ったり、それはもう大変な騒ぎです。
 序盤(白黒のところ)は良かったのですが、結局ソマーズ節が炸裂し、ド派手ながらも後に何も残らない映画になっております。

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ヴードゥー
voodoo, vodou, vodoun, vodun

 ブードゥー、フードゥー、ヴォドゥンなどとも。ハイチなど西インド諸島の宗教。アフリカの伝統的な信仰とカトリックの儀礼が混合したもの。
 ここではゾンビ作品によく出る基本的な用語の説明をしておきます。

アリスティド : ジャン・フランソワ・アリスティド。90年代のハイチ大統領。民主派で元神父。
ウンガン(オウンガン) : 男の司祭。善玉。
オウンフォール : 神殿。
ギネー : 西アフリカギニア地方を理想郷として言う。
コション・グリ(灰色の豚) : 秘密結社。夜、白い服で徘徊する。
ゾンビパウダー : 人を仮死状態にする毒(テトロドキシン)と、仮死状態の者を起こしてゾンビにする薬がある。
デュヴァリエ : フランソワ・デュヴァリエ。愛称パパ・ドック。60年代のハイチ大統領。恐怖政治を敷いた。息子も大統領。
トントン・マクート : デュヴァリエ大統領の秘密警察。
ビザンゴ : 秘密結社。夜、赤い服で徘徊する。
ボコール : 呪術師。悪玉。
マンボ : 女の司祭。善玉。
ロア : 精霊。種々の神様。

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