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7.3.2 設計・開発へのインプット
製品要求事項に関連するインプットを明確にし、記録を維持すること(4.2.4参照)。インプットには次の事項を含めること。
a) 機能及び性能に関する要求事項
b) 適用される法令・規制要求事項
c) 適用可能な場合は、以前の類似した設計から得られた情報
d) 設計・開発に不可欠なその他の要求事項
これらのインプットについては、その適切性をレビューすること。要求事項は、漏れがなく、あいまい(曖昧)ではなく、かつ、相反することがないこと。
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1. 設計・開発へのインプット
製品の設計・開発に当たって織り込まなければならない要件がa)〜d)に規定してあります。これらの要件には「7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化」で明らかにされた製品要求事項も含まれ、設計・開発のためにa)〜d)の切り口で分類・整理し直します。
ただし、設計・開発に必要な要件が初期段階ですべてそろうとは限らず、要求事項の変化、あるいは検証や妥当性確認における不具合からのフィードバックなどもあり得ます。これらの情報も改めて設計・開発へのインプットとして捉える必要があります。
図 設計・開発へのインプットとアウトプット
外部からのインプットの例
− 顧客、市場のニーズと期待
− その他の利害関係者のニーズと期待
− 供給者の貢献
− 製品の頑健な設計・開発を達成するための使用者からのインプット
− 関連する法令・規制要求事項の変更箇所
− 国際規格、国内規格
− 業界の実施規約
内部からのインプットの例
− 方針、目標
− 組織内の人々のニーズと期待
− 技術の開発
− 必要な力量に関する要求事項
− 過去からのフィードバック
− 現存のプロセス・製品の記録、データ
− 他プロセスのからのアウトプット
安全で適切な機能と維持のためのかぎとなる特性を明確にするインプットの例
− 運用、設置、適用
− 保管、取扱い、引渡し
− 物理的パラメータ、環境
− 製品の廃棄に関する要求事項
2. 以前の類似した設計から得られた情報
技術革新のスピード化、製品ライフサイクルの短縮化など、絶え間なく変化し続ける世の中ですが、すべての技術がそっくりそのまま新技術に置き換わるのはまれなこと、あるいは特定の分野のことであり、ほとんどは従来の技術の積み重ねや延長線上にあるものでしょう。
そのような状況を踏まえると、過去の技術や情報、経験が活用される場面は少なくないはずです。
失敗した点や問題点、反省点は改善事項として、よかった点はそのまま、あるいは工夫を加えて引継ぎ、しっかりと新規の設計・開発に反映させることはとても重要なことです。そのことによって、製品は継続的に改善され、ノウハウや技術の蓄積・継承にもつながります。
もちろん、過去の技術・情報が重要だと言ってもやみくもに抜取ってくるのでは効率的ではありません。決められた体系の中でそれらをしっかりと管理できて初めて有用な情報源となり得るのです。
3. 設計・開発に不可欠なその他の要求事項
「設計・開発に不可欠なその他の要求事項」としては、
・ その製品を特徴付ける、差別化する要件(例:互換性、保守性、使いやすさ追求、部品・材料の標準化)
・ 後工程から設計に求められる要件(例:組立てが容易、特定の設備を活用可)
などが挙げられます。
4. インプット情報のレビュー
設計・開発へのインプットは、矛盾や相反を含めて、優先順位や合理性を判断して選択、見直しをしなければなりません。規格でも、設計・開発の要求事項に漏れがないこと、曖昧でないこと、相反していないことなどが要求されています。
また、規格要求事項ではないですが、インプット情報は文書化しておくべきでしょう。その際、フォーマットは設計・開発のアウトプットとの対比ができる形式にしておくことで、チェック機能を働かせることができます。
5. 不適合・改善要望事例と考察
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