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5.6.2 マネジメントレビューへのインプット
マネジメントレビューへのインプットには次の情報を含むこと。
a) 監査の結果
b) 顧客からのフィードバック
c) プロセスの実施状況及び製品の適合性
d) 予防処置及び是正処置の状況
e) 前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
f) 品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性のある変更
g) 改善のための提案
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1. マネジメントレビューに必要な情報をインプット!
マネジメントレビューにインプットしなければならない情報がa)〜g)に規定されています。具体的には次に挙げるような情報が該当します。
・ 内部監査報告書
(品質マネジメントシステムの適合性、有効性に言及していること)
・ 外部(第二者/第三者)監査の報告書
・ プロセスの実績報告書
(プロセスの運用、稼動状況、有効性が分かる実績報告書、決められた手順の順守状況)
・ 製品要求事項に対する製品の適合状況報告書
(不良、不具合、品質異常、苦情などの報告書)
・ 顧客からの情報
(クレーム、顧客満足調査結果、顧客の声などの情報)
・ データ分析結果報告書
・ 是正処置報告書
(とられた処置の妥当性の判断)
・ 予防処置報告書
(これから実施する処置に関する経営的立場からのリスク判断)
・ 管理責任者からの品質マネジメントシステムに関する実績(できばえ)報告書
・ 品質目標の達成状況報告書
・ 品質マネジメントシステムに影響を及ぼしそうな各種の変更情報
(組織変更、市場動向、規格変更、法規制動向、技術開発動向など)
・ 前回までのマネジメントレビューの結果(とくに課題、指示事項)の処置(解決)報告書
・ 改善提案書
(誰が、どの分野について、どのような/システム、プロセス、製品)
毎回のマネジメントレビューにおいて、a)〜g)のすべてを議論するのではなく、重要なことに絞り込む(重点志向)のがよいと考えられます。この場合には、なぜそのポイントに重点を置いたのかを説明できるようにしておきましょう。
また、対象とはならない(「今回のマネジメントレビューでは除外する」など)項目が出てくることも考えられますが、この場合にも対象としなかった理由が必要になります。a)〜g)に関するマトリックスのようなものを準備して、これらの情報を記述できるようにしておくとよいかもしれません。
ただし、長期間(1年以上など)対象になっていない項目がある場合には、その項目に関して品質マネジメントシステムが機能していないと判断されてしまう可能性があります。たとえば、「顧客からのフィードバック」が長期間“なし”では「顧客満足」が評価できていないと見られてしまいます。
記録に関して、マネジメントレビューにインプットした情報はどれなのか、マネジメントレビューの結果の記録にはそれを追跡し、突き止められる識別情報を記録に残しておくとよいでしょう。
2. 不適合・改善要望事例と考察
不適合・改善要望事例 | 考察 |
マネジメントレビューへのインプット情報をマネジメントレビュー資料で総括しているが、その情報区分が品質マニュアルの区分と一致していない。 |
マネジメントレビューへのインプットには次の情報(a)〜g))を含むこと。 |
マネジメントレビューへのインプット情報が不足している。品質マニュアルで規定されたインプット情報を満たしていない。 |
マネジメントレビューへのインプットには次の情報(a)〜g))を含むこと。 |
★ヤッスー部長より一言★
審査の中でマネジメントレビューについて聞かれたときに、インプット情報が規格要求事項を満たしていない(不足している)と指摘されることがよくあります。上述したようにマトリックスを使うなどしてインプットする情報/しない情報を明確にし、インプットしない情報については“なぜ?”をはっきりさせておくとよいと思います。
情報の収集は、役割、責任・権限を決めて行うようにしましょう。決して、“ISO事務局にお任せ♪”とならないように気をつけましょう。
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・ (考え中・・・)
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