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5.6.1 一般
トップマネジメントは、組織の品質マネジメントシステムが、引き続き適切で、妥当で、かつ、有効であることを確実にするために、あらかじめ定められた間隔で品質マネジメントシステムをレビューすること。
このレビューでは、品質マネジメントシステムの改善の機会の評価、品質方針及び品質目標を含む品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価も行うこと。
マネジメントレビューの結果の記録は維持すること(4.2.4参照)。 |
1. マネジメントレビューの目的
トップマネジメントは、
「品質マネジメントシステムが、引き続き適切で、妥当で、かつ、有効であることを確実にする」
つまり、
「活動が計画どおり実行され、計画した結果(品質方針・品質目標)が達成されているかの視点から、品質マネジメントシステムを維持・改善する」
ことを目的として、品質マネジメントシステムをレビュー(見直し・点検)するよう要求しています。マネジメントレビューは品質マネジメントシステムの変更(継続的改善)につながるものでなければならず、そのような成果がなかなか得られないような場合にはマネジメントレビューのやり方自体も見直しの対象になり得ます。
図 マネジメントレビューの全体的な流れ
マネジメントレビューの実施に当たっては、
・ 実施時期の設定(一般的には1〜2回/年:半期末、年度末など)
・ 経営者自身による実施・運営(主人公は経営者)
が必要不可欠であり、レビューの目的・枠組みが明確になっていなければなりません。
2. 2つの評価
マネジメントレビューでは最低限、次の2つを行うように規定されています。
・ 品質マネジメントシステムの改善の機会の評価
・ 品質方針・品質目標を含む品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価
品質マネジメントシステムについて、品質方針・品質目標を含めて改善の余地があるのか、あるとすればどこをどのようにすべきか。また、その変更の必要性はあるのか、あるとすればどこをどのようにすべきか。そうした検討をして、トップマネジメントとしての意思決定をします。
「品質マネジメントシステムの改善の機会の評価」に関しては、
・ 主に内部監査やマネジメントレビューの実施状況
・ 品質目標のフォローの妥当性
・ 内部監査の確実な実施と問題発見能力
・ 是正処置、予防処置の質的向上(問題の再発)
・ マネジメントレビューの本質的、開かれた議論
などが考えられます。この結果を受けて、「品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価」について必要な変更の指示がトップマネジメントから出されることになります。
3. マネジメントレビューの記録
マネジメントレビューの結果は記録しなければなりません。記録は、単にマネジメントレビューで議論したことの議事のみでなく、トップマネジメントからの指示事項やコメントを含めて品質マネジメントシステムの改善の機会・変更の必要性についての2つの評価をやっていること、そして、それが品質マネジメントシステムの変更(継続的改善)につながる内容でなければなりません。
4. 不適合・改善要望事例と考察
不適合・改善要望事例 | 考察 |
マネジメントレビューは定期(10月、3月)で行うとマニュアルに規定されていますが、実際には2004年11月、2005年7月など臨時の実施しかされておらず、定期的実施が確認できません。 |
全社的にマネジメントレビューに対する意識が低く、審査前にやむを得ず実施する形となってしまっていた。マネジメントレビューのための会議の場を別途設けていたため手間がかかってしまうというのも原因の1つと考えられる。 |
★ヤッスー部長より一言★
マネジメントレビューの実施形態にはさまざまなものがあると思いますが、経営会議のような全社会議の場があるのならば、それを活用するのもよいでしょう。改めて無理にマネジメントレビューの場を設ける必要はないと考えます。
マネジメントレビューの主役はトップマネジメントであることをしっかりと自覚しておきましょう。管理責任者やISO事務局が御膳立てをしないと機能しないようなマネジメントレビューでは先が思いやられてしまいますね。
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