論理哲学論考 1-7
      
5 ひとつの文は特定の諸基本的文の真理関数だ。
(基本的文はそれ自体の真理関数だ。)
5.1 特定の諸真理関数はひとつの列に並べられ得る。
これが確率論の基礎だ。 〔5.101 5.11-5.15
5.2 特定の諸文の構造は互いに内的諸関係にある。 〔5.21-5.25
5.3 総ての文は諸基本的文に対する諸真理オペレーションの結果だ。
ひとつの真理オペレーションは、特定の諸基本的文からひとつの真理関数が生じるその仕方だ。
特定の諸基本的文からそれらの真理関数が生じるのと同様の仕方で、ひとつの真理オペレーションの本質に随って、諸真理関数から或る新たな真理関数が生じる。どんな真理オペレーションも、諸基本的文の諸真理関数からまた諸基本的文の或る真理関数、或る文を生み出す。諸基本的文に対する諸真理オペレーションの結果に対するどんな真理オペレーションの結果も、また、諸基本的文に対する或るひとつの真理オペレーションの結果だ。
どんな文も諸基本的文に対する諸真理オペレーションの結果だ。 〔5.31-5.32
5.4 ここで、(フレーゲとラッセルの意味での)「論理的対象」、「論理定数」などというものは存在しないことが自ずと明らかになる。 〔5.41-5.47
5.5 あらゆる真理関数は、オペレーション (- - - - - W)(ξ, . . . . ) の諸基本的文へのサクセッシヴな〔succesiven〕適用の結果だ。
このオペレーションは右の括弧内の文全部を否定する。それを私はそれらの文の否定と呼ぶ。 〔5.501-5.503 5.51-5.55
5.6 私の言語の限界とは私の世界の限界のことだ。 〔5.61-5.64