論理哲学論考 1-7 5.1-5.6
      
5.1 特定の諸真理関数はひとつの列に並べられ得る。
これが確率論の基礎だ。
5.11 幾つかの文に共通する真理根拠の総てが或る文の真理根拠でもあるとき、我々は、その文の真理性は件の諸文の真理性から帰結する、と言う。
5.12 特に、文「p 」の真理性が別の文「q 」の真理性から帰結するのは、第二の文の総ての真理根拠が第一の文の真理根拠である場合だ。 〔5.121-5.124
5.13 或る文の真理性が他の諸文の真理性から帰結することを、我々はそれらの文が成す構造から見て取る。 〔5.131-5.136
5.14 或る文が別の或る文から帰結するならば、あとの文ははじめの文よりも多くを述べ、はじめの文はあとの文よりも僅かしか述べない。 〔5.141-5.143
5.15 Wr が文「r 」の真理根拠の数で、Wrs が「r 」の真理根拠であるとともに文「s 」の真理根拠でもあるものの数であるとき、我々はそれらの比 Wrs : Wr を文「r 」が文「s 」に与える確率の測度と呼ぶ。 〔5.151-5.156