質問内容
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回答
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組織が定めたEMS適用範囲で、組織が影響を与え得る(間接的に関与できる)環境側面とは、どこまで捉えるべきですか?
(たとえば、供給先、請負業者、輸送業者、購入物品製造メーカーなど)
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組織が定めたEMS適用範囲に対し、組織が影響を与え得る(間接的に関与できる)環境側面とは、以下のように考えられます。
@ EMS適用範囲外の組織に対し委託している業務の環境側面。その業務に対し、管理責任(法的要求事項または組織が同意するその他の要求事項に基づく)が自組織にある場合は、環境側面に対し、どう関与すべきかを評価しなければなりません。
また、自ら管理すべきであると判断する場合(たとえば、そのEMS適用範囲外の組織も自組織と一体であると、世間一般から見られている場合など)も、環境側面に対し、どう関与すべきかを評価する必要があるでしょう。
そして、それらの評価結果から、自組織および/または委託先で管理手順を定め、それに基づく管理を実施する必要があります。
A EMS適用範囲外の組織からの購入物品および借用物品の環境側面。それらの物品が、自組織の活動、製品およびサービスの環境側面にどう影響するかを評価しなければなりません。そして、その結果、当該物品の購買または借用から納入に至るまでの間で、環境側面を管理する必要がある場合、管理手順を定め、それに基づく管理を実施する必要があります。
B ユーザーが製品を使用する場合および廃棄する場合の環境側面。ユーザーに対し、製品の適切な取扱い方法および廃棄方法に関する情報を提供するために、製品の持つ環境側面を評価する必要があります。
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附属書Aに示されている「環境側面として配慮すべき業務委託先、物品購入先の環境パフォーマンスおよび実施方法」とは、具体的にはどのような意味ですか?
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たとえば、以下のように考えられます。
@ 業務委託先:委託業務の持つ環境側面の管理能力(管理実績および管理方法)
A 物品購入先:購入物品の持つ環境側面情報(環境リスクなど)
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製造業で新たにプラントを設置/解体する際、業者に発注する設置/解体工事についても環境側面の特定・評価は必要ですか?
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工事段階の環境側面の特定・評価は必要です。その結果、工事上の管理が必要な環境側面に関する要求事項を発注仕様などで明確にし、受注業者の施行計画およびその管理手順にそれらの要求事項が反映されていればよいと考えます。
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購入物品の環境側面に関して、購入品を代理店経由で購入していますが、メーカーまで範囲に含める必要はありますか?
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購入物品の環境側面とは、それらの物品が、自組織の活動、製品およびサービスの環境側面にどう影響するかを評価することです。したがって、その情報を代理店から入手できればそれでよいと考えます。
(たとえば、化学品の製品安全データシートMSDSなど)
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購入物品が有害物質を含んでいますが、それを有害物質を含まない物品に代替したいと考えてもそれを実施できない理由がある場合は、組織が管理できない物品購入先と位置付けることに問題がありますか?
(たとえば、納期対応不可、単価上問題ありなど)
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環境側面の評価は実施し、有害物質を含んでおり、その環境影響をどう考えるのかを評価する必要があります。しかし、その問題点に対し、規格は必ず改善することを求めているのではありません。現状、改善が困難であるならば、その理由を明確にし、その問題に対し、今後どう改善するのか、する必要がないのかを、組織として判断される必要があります。
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不適合・改善要望事例 | 考察 |
特定した著しい環境側面、外部コミュニケーションの検討結果及び緊急事態の特定結果の関連性が認められない。 |
緊急事態との関連性について緊急時の環境側面の評価基準・方法を見直し、環境マニュアルを改訂する。 |
'05年6月に印刷機を1台撤去していたが、「環境側面の洗い出しシート」「環境影響評価表」の見直し、再評価が未実施。 |
設備の変更(導入・更新・撤去など)と環境活動とが実務レベルではまだ融合されていない。 |
新しい印刷機の導入時点で環境側面の見直しを実施し、インプットとして鉱物油、アウトプットとして洗浄廃液が特定されていれば、産業廃棄物として処理する手順ができて、水質調査におけるn-Hexの基準値オーバーが回避できたかもしれない。 |
新しい印刷機の導入に伴って環境側面の洗い出し、再評価は行ったが、それを水質調査におけるn-Hexの上昇傾向にまでは結び付けて考えていなかった。 |
製品Tでは「滞留在庫による損失の低減」を新たに目標に追加しているが、その目標につながる有益な環境側面として登録されていない。 |
目標設定が先行してしまい、その理由付けとしての著しい環境側面があるという認識が抜けてしまっている。 |
製品そのものの環境負荷(市場に出て最終的に処分されるまでに環境に与える影響)も考慮する必要がある(製品のライフサイクルアセスメントの考え方の導入)。 |
環境側面として製品に対する認識が今までなかった(2004年版では強調されている)。 |
設備・工程など何らかの変更があった場合には、環境側面・影響評価も変化し得ることを常に意識していただきたい。 |
設備などの変更と環境活動とが融合していない。 |
環境側面に関する情報として「環境側面の洗い出しシート」「環境影響評価表」に限定しているような記述を環境マニュアルではしているが、より広くとらえるような記述にしたほうがよい(例えば、初期環境調査結果など)。 |
環境側面に関する情報としてはこの2つが重要と考えていたが、審査員によれば洗い出し・評価に至るあらゆる情報が該当するということで、限定的な書き方はしないよう指摘を受けた。 |
マニュアルには「環境側面の見直しを毎年3月に実施する」と決められているが、'01.12.20以降見直しが実施されたことが確認できない。 |
実際には見直しされ、環境側面には変更がなかったが、見直しをしたこと、その結果変更がなかったことを証明する記録などが存在せず、第三者に対して実証できなかった。 |
環境マニュアルの環境側面に関する管理手順に従って、情報の最新の維持を確認したところ、印刷機を更新('03.9月実施)したにも関わらず、「環境側面の洗い出しシート」の改訂がされていませんでした。 |
印刷機の更新によって環境側面に変更がなかったためシートを改訂する必要がないと判断し、見直しをしたという記録もしていなかった。 |
××グループではマニュアルに従って環境側面が特定されていますが、原材料の保管に関する環境側面が特定されていません。また、緊急時の環境側面に火災を追加することを検討してみて下さい。 |
××グループは原材料保管の業務を担っているが、環境側面を特定する際にその部分の業務を考慮していなかったため関連する環境側面が特定されていなかった。 |
「環境影響評価表」で廃棄物が著しい環境側面に特定されていますが、法的要求事項の欄に○印が入っていません。 |
特定した環境側面が環境法規制に関わる場合は「環境影響評価表」の法的要求事項の欄に○印をすることになっているが、その手順が理解されていなかったため○印が記入されていなかった。 |
基準点以下で著しい環境側面に特定された中でコメントのないものがあります。 |
環境影響評価の結果、基準点以下になった場合でも環境法規制や環境方針に関わる場合は著しい側面にすることができ、コメントを書くことになっているが、そのことが理解されておらずコメントが未記入だった。 |
コンプレッサーやブロアーが騒音防止法で定めた特定施設に相当するのか確認する必要があります。 |
騒音規制法で定める特定施設にはどのようなものがあるのか把握していなかった。コンプレッサーでは定格出力が7.5kw以上のものが該当する。 |
湿し水の廃水が下水道法の適用対象になるのか確認する必要があります。 |
湿し水廃水をそのまま下水に流していたが、水質調査をしていなかったため、下水道法で定めた水質基準を遵守しているのかどうか分からなかった。 |
緊急時の著しい環境側面の決定手順が記述されていません(環境マニュアル)。 |
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規格の「環境目的を設定する際に、これらの著しい影響に関連する側面を確実に配慮しなければならない」に関する記述がありません(環境マニュアル)。 |
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規格の「この情報を常に最新のものとしなければならない」に関する記述がありません(環境マニュアル)。 |
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