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小樽湾から山手を見ると左から毛無山、つぎに天狗山そして右側に赤岩山があり、その三方の山に向かい道を延ばして小樽の町は広がっていきました。テレビや映画のロケ地などでよく知られている船見坂は、運河から中央市場をかすめ国道5号線に出ると三角市場の脇にあります。函館本線を橋で越える、この坂の勾配は、15度もあるので初めてこの坂を車で通る人はびびるかもしれませんよ。また、名物の坂では国道5号線の産業会館前から山手に向かう地獄坂です。この坂の周りには、小樽警察署、小樽税務署、法務合同庁舎等々、役所がたくさんあることで、この地獄坂という名前が付いたとか!・・・わかりますよね!そして地獄坂は、小樽商科大学(旧小樽高商)までの1.5㎞まで続きます。今話題の「蟹工船」の小説を書いた、小林多喜二や作家の伊藤整の母校がこの小樽高商です。当時の、この坂は鋪装なんてされていなく長い距離の急な勾配が続くこともあり疲れるし歩きにくい・・・地獄ですね。これも名前の由来とか!その他にも、小樽には急勾配で知られる手宮の十間道路の坂。西暦1857年(安政4年)に道を開いたことで、安政の坂道といわれる住吉町の山の上の坂と、海陽亭・堺町の小樽オルゴール堂に接している三本木坂。かって、北海道内の仏壇が小樽で作られていたことで、職人の家が軒をつらねていた山田町と相生町にまたがる職人坂。木材商のドイツ人が、大正6年から32年間に渡り小樽に住んでいて市民との関わりも深いことからいつしか呼ばれるようになった外人坂。この小樽にはさまざまな名前が付いた急坂はまだまだたくさんあります。当時の人達は三方の山(毛無山・天狗山・赤岩山)に道を切り開き、たくさんの坂とともに小樽の歴史をきざみ重ねてきたんですね。 |
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天狗山の山頂へは、ロープウェイで登ることができます。そして観光道路も整備されて、夏季ならマイカーで登ることもできます。山頂からは、小樽市街はもちろん小樽港や石狩湾、そして晴れた日には遠く暑寒別連峰や積丹半島を眺望できる絶好のビューポイントです。美しい夜景は北海道の三大夜景(他は函館山と藻岩山)と知られ、夏はスライダーやリス公園などの屋外施設も楽しめます。冬は小樽天狗山スキー場として営業していて、ここは北海道のスキーの発祥の地とされています。1923年(大正12年)の第1回全日本スキー選手権が、ここ小樽天狗山スキー場で開催されました。 |
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明治時代、小樽と高島を繋ぐまともな海沿いの道が無く、高島の住民は、現在の手宮公園のある煤田山(ばいてんやま)を越えて励ましの坂を下り、小樽へ向かっていました。高島から小樽に通じる稲荷坂は昔、メーンストリートだったため、商店などが軒を連ねていて賑わっていたそうです。大正に入り、高島と小樽の陸上交通の必要性から、海岸のがけを切り崩し、埋め立てを施し道路整備をしました。この周辺にはその他に、神田坂そしてうまやの坂があります。うまやの坂の頂上付近には手宮緑化植物園があり、そこから展望すると、小樽港と石狩湾の広々とした海が広がっています。 |