『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』    
a Chinese Ghost Story / 倩女幽魂

 程小東(チン・シウトン)監督、徐克(ツイ・ハーク)製作総指揮。猛烈なワイヤーに特撮、中国時代劇にベタな恋愛物語、という構成で一時代を築いたエポックメイキングな作品です。15年前の作品ながら今見ても魅力は衰えません。そのうえ王祖賢(ジョイ・ウォン)も張國榮(レスリー・チャン)も初々しくてちょっと新鮮。共演は午馬(ウー・マ)など。
 廃寺蘭若寺に泊まった若者寧采臣(ツァイサン)は、そこで出会った若い女の幽霊小倩(スーシン)と恋に落ちる。小倩は死後、老木の妖怪姥姥(ロウロウ)に虜にされ、森に迷い込んだ男を誘惑しては命を吸い取る役目をさせられていた。その上3日後には魔王に嫁がされるという。采臣は武芸・法術の達人燕(イン)道士の協力を得て、姥姥や魔王から小倩を守ることにした。
 小倩は1年前に賊に一家皆殺しにされ、現世に未練があって幽霊になりました。骨壷が老木の下に埋められたため、姥姥に使役される羽目になっています。なので骨壷を掘り出して故郷の墓に埋めなおしてやれば開放され、成仏できるのです。姥姥は普段は魔女、戦闘時は『死霊のはらわた』の木の悪霊とビオランテを足して2で割ったようなモンスターです。魔王はデーモン風。マントの中から大量の生首を発射して攻撃します。他に、命を吸われた被害者がミイラになって出てきます(ストップモーションで動く)。幽霊やミイラは日光で破壊されます。

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『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2』    
a Chinese Ghost Story II / 倩女幽魂II 人間道

 程小東(チン・シウトン)監督。前作の数年後、采臣(ツァイサン)が小倩(スーシン)にそっくりな女に出会う話。実はゴーストといっても妖怪ばかりで幽霊は出てきません。

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『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3』    
a Chinese Ghost Story III / 倩女幽魂III 道道道

 シリーズ3作目。程小東(チン・シウトン)監督、徐克(ツイ・ハーク)は今までどおり。出演は3作連続の王祖賢(ジョイ・ウォン)、初登場の梁朝偉(トニー・レオン)、2作目から出演の張學友(ジャッキー・チュン)など。
 百年後に復活した姥姥(ロウロウ)に囚われている幽霊小卓(ロータス)と、若い僧侶十方(フォン)の物語です。プロットは1作目と2作目を足して2で割ったようなもの。主人公が書生から坊主になり、幽霊の誘惑を退けようとするコミカルなシーンが増えたのが特徴といえば特徴でしょうか。トニー・レオンのファンならともかく、前2作を見ている人は見る必要はないでしょう。

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『忠臣蔵外伝 四谷怪談』    
Crest of Betrayal

 深作欣二ならではの怪作。討ち入りに参加しなかった浪士、民谷伊衛門のルサンチマンを描くことが主題となっていて、幽霊話などは脇に追いやられています。お袖や直助は全く登場しません。
 赤穂浪士の伊衛門(佐藤浩市)、湯女のお岩(高岡早紀)の2人は現代風の若いカップルとして描かれています。お岩は陽気な性格で、唖で頭が弱いお梅(荻野目慶子)とは対照的です。この力関係の逆転から、お岩の幽霊は全く怖くありません。服毒シーンや伊藤家殺戮シーンは一瞬で終わるし、恨みがましさは微塵もありません。伊衛門は復讐リストに入っていないらしく、さっさと別件で死んでしまいます。一方伊藤家のお梅、お槇(渡辺えり子)、喜兵衛(石橋蓮司)は全員顔が白塗りで、気持ち悪いことこの上ありません。
 仇討ちなどくだらないと言っていた大石内蔵助(津川雅彦)が、世間体など大人の状況判断から遂に決起します。仲間の浪士に一緒に抜けようと誘われた伊衛門は、自分が惨めな浪人暮らしの間に仇討ちへの熱意を失っていることに気づかされました。こんな気持ちのまま討ち入りに参加する気にはならず、さりとて自由気ままに生きる方法もわからず、生きるよすがをお岩やお梅に求めるも上手くいかず、やぶれかぶれのまま浪士たちに裏切り者として殺されます。
 この映画のお岩の幽霊は相手を驚かせるだけでなく、猛烈な吹雪を起こして人を吹き飛ばすことができます。伊衛門も死後幽霊になりますが、こちらは琵琶の音を聞かせる程度のことしかしません。

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『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』    

 東宝「血を吸う」シリーズ第1弾。山本迪夫監督。中尾彬、松尾嘉代主演。出番はわずかながらトラウマメイキングなモンスター野々村夕子が印象的な作品です。演じるのは、端正な容姿で怪獣映画ファンにはおなじみの小林夕岐子。ただ彼女、血も吸わないし人形でもありません。
 兄が婚約者野々村夕子の家に行ったきり帰ってこない。圭子は彼氏の浩と共に野々村邸(蓼科の山奥の洋館)を訪ねた。夕子は半年前に交通事故で死亡、今はその母と聾唖の下男源蔵だけが暮らしているというが、圭子は血まみれの夕子が徘徊するのを目撃する。
 野々村夕子は吸血鬼ではありません。ゾンビに近いモンスターです。死ぬ間際に催眠術をかけられ死後も肉体が動き回ることになった、という設定は相当の常識はずれ。催眠術ってそんなものではないと思うのですが。

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『血を吸う薔薇』    

 「血を吸う」シリーズ第3弾。山本迪夫監督。出演は黒沢年男、岸田森、田中邦衛ほか。
 八ヶ岳の全寮制女子大(何それ?)に赴任してきた心理学の白木先生。学長夫人が事故死し、学生が夢遊状態で失踪するという事件に直面し、地元の怪奇伝承に詳しい校医下村医師と共に調査を始める。そして学長が吸血鬼であるという結論に達した。果たして白木は女学生たちを守れるのか?
 病人岸田森では最初から男臭さの塊みたいな黒沢年男にかなうわけがないのですが、それでも「ウガァ」とか吠えて必死に暴れる吸血鬼には涙を禁じ得ません。怖さ皆無な分、女子寮、ネグリジェ、乳房咬み、とエロ度は上昇してます。でも女学生たちに魅力あるキャラがいないのでいまいち盛り上がりません。黒沢年男がいなければもろアルジェント風の良い映画になってたと思うのですが…。
 血を吸われると奴隷状態になり、奴隷が死ぬと吸血鬼になるという設定は前作のとおり。プラス、吸血鬼が人間の顔の皮をはいで自分の顔に貼り付けて変装し、不死であることを隠すという手の込んだことをします。

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『呪いの館 血を吸う眼』    

 「血を吸う」シリーズ第2弾にして初めて吸血鬼が登場。山本迪夫監督。出演は岸田森、江美早苗、藤田みどり、高橋長英。
 子供の頃の恐怖体験(眼の絵に描かれる)を抑圧して美術教師になった秋子は、飼い犬が殺され、妹の夏子が夜中に徘徊するなど、再び怪事件に巻き込まれた。彼氏の佐伯医師の催眠術をうけ、子供の時に吸血鬼を目撃していたと知る。一連の事件は吸血鬼の仕業だったのだ。
 この作品で岸田森は日本を代表する吸血鬼俳優になりました。ですが病弱なクイズ番組解答者といった面持ちの岸田森より、江美早苗の方が全然怖いです。幼少時の記憶がどうとか精神分析めいた話もしてますが、初登場のシーンから顔見ただけでもうモンスター。序盤からとてつもないサスペンス感を出してきます。後半怖さは減退しますが、子供の頃の記憶を遡って裏日本の洋館に出向く部分から俄然盛り上がってきます。話のスケールはこじんまりしていますが面白さは上々。傑作です。

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