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循環型社会形成推進基本法
1. この法律の目的は?
環境基本法の基本理念に則り、循環型社会の形成について、基本原則を定め、国、地方公共団体、事業者および国民の責務を明らかにするとともに、循環型社会形成推進基本計画の策定、その他循環型社会の形成に関する施策の基本となる事項の基本を定めることにより、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、現在および将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与する。つまり、廃棄物・リサイクル対策の分野に関し、環境基本法の示す理念の実現に寄与する。
2. この法律の適用を受けるのは?
2.1 国
2.2 地方公共団体
2.3 事業者
2.4 国民
3. 関係者、適用を受ける事業者の責務は?
3.1 国
・ 循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため「循環型社会形成推進基本計画」を定める。
3.2 事業者
・ 基本原則に則り、事業活動において原材料などが廃棄物になることを抑制する。
・ 循環資源となったものは自ら適正に循環的な利用を行う。
・ 循環的利用が行われない場合は自らの責任で適正に処分する。
・ 製造、販売などの事業者は製品、容器などの耐久性向上、修理体制の充実、設計上の工夫、材質成分表示など適正処分が困難にならない措置を講ずる。
・ 製造、販売などの事業者は製品、容器などが循環資源になったものを引取り、引渡し、これを適正に循環的利用を行う。
・ 循環資源の利用ができる事業者は循環的利用を行う。
・ 事業活動に際しては、再生品を使用するなど、自ら努めるとともに国などの施策に協力する。
3.3 国民
・ 製品はなるべく長期間使用、再生品を使用、分別回収に協力、施策に協力する。
4. 施策
4.1 国
・ 廃棄物等の発生抑制
・ 「排出者責任」の徹底のための規制などの措置
・ 「拡大生産者責任」を踏まえた措置
(製品などの引取り、循環的な利用の実施、製品などに関する事前評価)
・ 再生品の使用の促進
・ 環境の保全上の支障が生じる場合、原因事業者にその原状回復などの費用を負担させる措置
4.2 地方公共団体
・ 自然的社会的条件に応じた循環型社会の形成のために必要な施策を総合的、計画的な推進を図りつつ実施する。
5. 特徴
・ 有価・無価を問わず「廃棄物等のうち有用なもの」を「循環資源」と位置付け、その利用を促進
・ 廃棄物等の処理方法に初めて優先順位
@発生抑制(リデュース)、A再使用(リユース)、B再生利用(リサイクル)、C熱回収、D適正処分
・ 排出する者が適正なリサイクルや最終処分まで責任を負うべきという「排出者責任」を明確化
・ 生産者が自ら生産する製品について、生産・使用段階だけでなく、廃棄された後においても適正なリサイクルや処分について一定の責任を負う「拡大生産者責任」
@設計の工夫、A材質または成分の表示、B廃棄物等の後の引取り、リサイクルなど
6. 循環型社会の形成についての基本原則
・ 技術的および経済的な可能性を踏まえ、自主的かつ積極的に行う。
・ 適切な役割分担の下に必要な措置が講じられ、費用は適正かつ公平に負担する。
・ 原材料、製品などは廃棄物等となることを抑制する。
・ 循環資源はできる限り循環的な利用を行い、その際、公害などが生じないよう適正に行う。
・ 循環的利用および処分は技術的、経済的な範囲で、次の優先順位で行う。
@再利用(リユース)、A再生利用(リサイクル)、B熱回収、C処分
図1. 循環型社会形成の方向性
図2. 環境基本法と循環型社会形成推進基本法
7. 用語の定義
7.1 循環型社会
・ 製品などが廃棄物等となることが抑制され、
・ 製品などが循環資源となった場合、適正に循環的な利用が行われることが促進され、
・ 循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、
これによって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会
7.2 廃棄物等
・ 廃棄物処理法2条1項に規定する廃棄物
・ 1度使用され(使用済み物品)、もしくは使用されずに収集、廃棄された物品(収集廃棄物品)
または、製品の製造・加工・修理・販売、エネルギーの供給、土木建築に関する工事、農産物の生産、その他の人の活動に伴い副次的に得られる物品
7.3 循環資源
・ 廃棄物等のうち有用なもの(循環的利用の可能性のあるもの)
7.4 循環的な利用
・ @再使用、A再生利用、B熱回収
7.5 再使用
・ 製品としてそのまま使用する(修理を含む)こと
・ 全部または一部をその他の製品の一部に使用すること
7.6 再生利用
・ 全部または一部を原材料として利用すること
7.7 熱回収
・ 全部または一部を熱を得ることに利用すること
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