<<<目次 ▲6月の日日▲
2005年5月31日 三十路 あまり気にした事はなかったが、これまで晶君のライブを自分は一体何回くらい観てきたのだろう。と素朴な疑問が湧いたので先日振り返ってみた。晶君のライブに回数など無意味だ。ということはすっきりと承知の上である。初めて見た2002年3月から現在までを数えてみたら先日の渋谷 7th Floor・・・ではなくて、5日の恵比寿 switchで丁度30回観ている計算になった。とはいえ行ったけれども見逃したのが一回あるので、実質的には16日の渋谷 O-Crestで30回。結構な回数を観てきたと思ってはいたが、我ながらこんなに観ているとは驚いた。そしてまだまだ更新中。自分が小学校の時分、自宅近くにあって色々と贔屓にしていた「ファンシーショップ・キキ☆ララ」のスタンプカードに集めたスタンプで素敵な景品がもらえそうな回数である。・・・実際スタンプ収集には意欲がなかったのでもらったことはない。 その後、成長と共に自然と利用する事はなくなった「キキ☆ララ」。年を追うごとにファンシーショップの色合いを減少させていくのが通りすがりの横目にも見て取れるようになり、何時の間にか閉店していた「キキ☆ララ」。「藤岡弘」を「佐々木いさお」で割ってさらに牛乳を足したような顔をしていた店主は、今どこでどうしているのだろう。現在その場所は家庭的なもてなしが売りらしい居酒屋になっている。 2005年5月25日 雨ニモノワスレ 雨によりお出掛け気分を消沈させられ今夜も途中入場。演奏中の為ひとまず入口付近で鑑賞。終了後テーブル席へ移動。次の「ララバイブラザース」は最強の雨男を自認する男達であった。彼等は各地で相当雨を呼んでいるらしい。そうか、それでか・・・納得。今夜も空腹を涙ながらに訴える胃袋のために「ななかいごはん」を注文。以前から気になっていた「とろとろオムライス」を食す。大変美味にて満足して完食した。そして晶君の出番。前のテーブルに座っているのが体格の良い人だったので壁際の一段高い椅子席に一時避難。描けるだろうか今回も。いや、それ以前に眼鏡なしで描けるのか? 裸眼じゃ無理なんじゃないか?この距離。 ポロポロと音を繰り出した後、「山口晶です。今夜はよろしくお願いします。」と好青年的滑り出しの一曲目は「地下鉄・小江戸線」。本当に、晶君の唄う言葉はなんて聞き取り易いのだろう。でもライブでは歌詞の意味まで捉えて聴くことはない。ライブにおける言葉は音であり、音は言葉であり、そこに混濁する流れを味わうのが楽しい。その歌詞をまとまった文章として読むと、また違った色合いが出現するから面白い。その後「集中豪雨」で筆が乗る。影の男、山口晶。今年初のTシャツ姿。あらわな腕に仄かな男の色気が滲み出る。新たな未発表曲「水溜まりが乾いていく道」はサビのところが何だかとても気持ち良い。瑞々しい輝きで心をくすぐられる。「白いオツキサマ」はいつの間にやら自分がコロコロ転がって、思わず微笑みながら聴いてしまう。最近一番のお気に入りかも知れない。出だしをやり直したとはいえ今夜の「ヨダカの星」も心を浚う逸品。「change」は目を閉じて聴くと実に痺れる逸品である。おお、何だかちゃんとしたライブレポートっぽいぞ。私もやれば「できる子」なのか? でも曲順はうろ覚え。 ちなみに下の階ではビジュアル系とおぼしきライブあり。その振動が「ななかい」にも伝わって来ているのは何となく感じていた。気分が悪くなる程ではなかったが。この場にネギィ君がいたならば、おそらく早々に気付いてこの邪魔な振動に悩まされたと思われる。 それにしてもネギィ君が同行しないというのに雨が降るとは。しかもかなりの雨量。途中の車窓で雷にも遭遇。昼はそこそこ天気良く、余裕の気分で身支度をしていたら、あっという間に雲行きが怪しくなって雨が降って来た。それでも小雨のうちにさっさと出掛ければ良かったのだろうが、どうにも気分が乗らずぐずぐずしていたら雨足が強くなった。その後どうにかこうにか現地へ到着。出演者の中に最強の雨男を自認する男達がいるとなれば、これはとてもかなわない。今夜は雨男の大勝だ。晴女は心密かに次回のリベンジを誓う。しかし気候の不安定な時期だ。予報など当てに出来ないが、外出する際は何とかして傘を省略したい。どんなにお気に入りの傘でも荷物が増える事には違いなく。増えた荷物のぶん意識が散らされてうっかり物忘れ、忘れ物の危険が増すのである。 --------------------------------------- <傍ら日記より> ●5月24日 渋谷 7th Floor 1. 地下鉄・小江戸線("新"未発表曲) 2. 集中豪雨(未発表曲) 3. 水溜まりが乾いていく道("新"未発表曲) 4. ヨダカの星 5. 白いオツキサマ("新"未発表曲) 6. change("新"未発表曲) --------------------------------------- <ライブ> ●6月20日(月) 渋谷 7th Floor 晶君&みきさんのタッグが再びここに!これは絶対見逃せない。 2005年5月22日 蛇の足の完成。<晶君からの手紙> 足を止めて地図を広げる。ここは何処だろう? ・・・え〜と。ここをこう来て河を渡って。それからこの丘を登って下って・・・そうそう、ここの手前で左へ曲ったんだった。地図は過去の道筋に詳しい。この先はどうなっているのだろう。地図をなぞってみるが、これには何処にも目印になる場所が記されていない。しかしあの先に見えるのは・・・見えるのは・・・え〜と。名を忘れた。多分あれだ。ひとつあそこまで行ってから考えるとしよう。 待て待て。自分は一体何処へ向かおうとしているのだ? 勢いで進んでから後に引けなくなったらどうする。いや、この状態はすでに手遅れには違いない。愚考に視界が奪われると、手にしていたはずの地図は跡形もなく消え去った。まあいいさ。あれはただの地図だ。そもそも行きたい場所など此処にはない。・・・眼を閉じていれば近いような気もするが、眼を開けばさっぱりとただひとり。みっともなく妄想に煽られている風まかせ。 さて、先月頂いたお手紙をやっと着色に着手した。色をぬらない状態で完成している世界に色をぬる行為は、基本的には蛇足だと思う。だがあえて色を足すことで変化が起こり異次元的な完成を迎えることもあり得るだろう。試行錯誤するうち自分の中に渦巻く色へどんどん傾いていった。とても面白かった。その昔、記憶は定かではないけれど、線を描いたり色をぬったりするのが好きな子供だった。今は言葉にできない。作業をしている間だけ、私は私の概念から解放されるのだった。 --------------------------------------- <追跡調査結果報告> ●CampusNavi/アンコール番組「Talk with Your Role Model/第一回ゲスト:山口晶」 (2005.5.13更新) 現在では独自のコンテンツとなっている「キャンパス・ナビ」。当時はSo-net会員専用コンテンツであった。「Talk with Your Role Model」はラジオ連動企画で、TOKYO FM 衛星デジタル放送/MUSIC BIRD Community 3ch (21:00〜22:00)にゲスト出演され2003年5月14日に放送されていた。このたびアンコール放送として動画が見られるようになっている。会員登録してパスワードを入手すれば無料で閲覧可能である。現在申請中。 2005年5月18日 記憶飛ぶ夜 さて今回のライブは渋谷 O-Crest『道玄坂叙情詩 第8章』である。・・・頭をかすめる昨年の悪夢。また同じイベントで見逃す事があってはならないぞと気を引き締めた。実際どうだったかといえば、見始めたのは晶君の前の出番の人の途中から。まるまるスケジュールを空けてある日にしては悠長な事である。「始めから観られないのは少々勿体無い」とは2号談。確かにその通り。どうしてそうなったかと申せば、どうしても必要な買物がいくつかあり、歩き回る内に小腹が食物を欲したので与えていたらそんな時間になってしまったという訳。でも晶君の出番にはちゃんと間に合ったわけだから情状酌量、会長の権限で万事良好とした。どうもここの雰囲気には未だに馴染む事が出来ないでいる。元々我々は純粋なライブ会場という環境が不得手である。しかもパイプ椅子に長時間平気で着席していられる耐久力は無い。なにしろ三十路を過ぎたこの身体、ゆったり腰を落ち着けられる雰囲気が好ましい。ギブミーソファー。 晶君の出番は一番最後であった。今回「ヨダカの星」以外全て未発表曲である。うち一曲は全くの新作を披露。ライブが化学変化を起こさせるのなら、今まさに臨床実験的真剣勝負が目前で行なわれているわけで。興味は尽きない。始まってしばらくは鉛筆を持ったまま、何となく描きあぐねていた。まあ、まず第一の目的として私はライブを聴きに来ているのだから、絵が描けないならそれでも構わないのだ。でも「集中豪雨」の演奏が始まると、その照明と空気に引き摺られて線を引き始めていた。ライブ終了後にサインを頂いて大変シアワセだ。その後ライブ中の様子を思い出そうとしたが、記憶が飛んでしまっていて殆ど覚えていない。ライブレポートはネギィ君に期待したいところだが如何なものだろうか。 そんな中でこの日の「白いオツキサマ」は何が何だか良く分からないがとても良かった。それは空中を漂う粒子を網膜に捕まえて転がして遊ぶような、裂けるほど渇いた皮膚を水分でたっぷりと潤すような、誰にも共感されない苦い時間を存分に噛み拉くような・・・。おそらくは無意識がこの音を機会と掴まえて心身を揺らしたのだろう。弱い自分も自分の中では頑固に主張し続けて止むことがない。それは私の一部であり私の全てに渡るものなのだろう。 『はっ、こんなところにお手紙が。』 さて今夜の晶君は大阪である。一時は観覧弾丸ツアーを本気で考えていた会長だが、諸事情により諦めざるを得なかった。アルびゃーニョンは昨日「ちょっと食い倒れてくる。」と伝言を残して消えた。今回捜索チームは結成されていない。 --------------------------------------- <傍ら日記より> ●5月16日 渋谷 O-Crest 1. 地下鉄・小江戸線("新"未発表曲) 2. 集中豪雨(未発表曲) 3. 水溜まりが乾いていく道("新"未発表曲) 4. ヨダカの星 5. 白いオツキサマ("新"未発表曲) 6. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶) 本当は"4"と"5"が逆だったそうで・・・ ●5月18日 大阪・梅田 RAIN DOGS【slow union】 1. 檸檬(未発表曲) 2. 集中豪雨(未発表曲) 3. 水溜まりが乾いていく道("新"未発表曲) 4. 白いオツキサマ("新"未発表曲) 5. ヨダカの星 6. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶) --------------------------------------- <ライブ> ●6月9日(木) 恵比寿 switch 出演:山口晶、他 詳細未定。 ●6月20日(月) 渋谷 7th Floor 出演:山口晶/中山亮/yasuhiro kouchi/近藤陽一郎 開場18:30 開演19:00 前売\2,000(税込/ドリンク別) チケット予約&問合せ:渋谷 7th Floor (この情報はタハティさんより頂いたもの。感謝!) 2005年5月12日 見えないスイッチ。 5月5日といえば晶君のライブの日。世間では子供の日。黄金週間の終盤でもある。休日らしい微妙な混み具合の電車に乗って恵比寿駅に到着。まずはガーデンプレイス方面に向かうのだ。と、地上に出てすぐそばにあった周辺地図を見て、恵比寿の地理を何となく頭に入れた。そのまま真っ直ぐガーデンプレイスへ進んでいれば何事もなく辿り着けたものを、近道するつもりで曲がったのが大間違い。たぶんこっちだろうとズンズン進んで気付いた時には「此処はどこ?」・・・危うく迷子になりかける。迷子になったままライブが終了してしまったら大変だ。各所の周辺地図で現在地を確認しながらswitchへと向かう。早く到着しなければと焦る私の前に、最後は緩くカーブした長〜〜〜い坂道が待っていた。ギブミー酸素ボンベ。 幸い辿り着いた時刻は六時半を少し回ったところ。開演まで時間はまだたっぷりあった。恥ずかしながら一番乗りである。店内にはまだスタッフしかいない。恐る恐る席に着き周囲を見回す。薄暗い中でも綺麗なのが見てとれる。さすがはオープンしたばかり。各テーブルの上には小さなキャンドルが置かれている。小さな光があちらこちらで揺れる様は日常を切り離す魔力を持っている。汗をかいた身体にアルコール入りの水分を与えながら、ふと天井を見上げた。・・・まるい月が見えた。ような気がした。実際そこにあったのは店の照明なのだが。おもむろに用意していたスケッチブックとシャープペンを手に取り、何となく描きはじめた。一体何が描きたいのか良く分からないまま上半分くらい描いたところで一旦ペンを置いた。何やらイメージが出てきた気がした。あとは晶君を描くことができれば。そしてライブが始まった・・・。 晶君の出番が来た。つま弾きながら微笑みをくれる晶君。おおう。初っ端から姉殺しとは珍しい。ライトに照らされた輪郭が白く光って浮かび上がる様を見た瞬間、突然何かスイッチが入ったようにペンが走り始める。唄を聴きながら、自分はどこか宙を彷徨っているような気がした。確かな現実はこのペンと紙の接点だけ。音にも妙な浮遊感が付きまとっていたような。何故だろう。この夜の成果は晶君に進呈した。果たして気に入ってもらえただろうか。この絵がどんなタッチだったのか、自分で描いていながらその記憶はもう曖昧になっている。 ちなみにスケッチの時もそうなのだが描くことができるのはいつも「ヨダカの星」の前まで。この唄が始まるとすっかり筆が止まり、後はただ聞き惚れるばかりになるのである。 --------------------------------------- <傍ら日記より> ●5月5日 恵比寿 switch 1. 振り返りもしないで 2. 隠れ家(未発表曲) 3. 集中豪雨(未発表曲) 4. 人影〜to ca ge〜 5. 白いオツキサマ("新"未発表曲) 6. ヨダカの星 7. トリーハ〜哀歌〜("新"未発表曲・曲:Federico Moreno Torroba/詞:山口晶) --------------------------------------- <Kathy's Song lounge> 先日更新された今月のお題は『私とペット』。晶君は相変わらず可笑しいやら哀しいやら悲喜交々の人生劇場。ちなみに我が家では昔ウナギを飼っていた。土用の丑の日になると蒲焼きにされてしまうアレである。いつの事だったか夏祭りの一環で「鰻のつかみ取り大会」が執り行われ、そこでつかまえてきたのである。オスかメスかも分からず、これといった特徴もないからそのまま「ウナギ」と呼んでいた。餌を食べる時以外、一日のほとんどを砂利の中に潜って過ごす事10年余り。全く存在感がなく、ペットというには微妙な存在であった。その後引っ越す事になりウナギと水槽は処分することになった。この際だから食べてしまおうかという案も出たが、そのスレンダーボディはどう見ても美味しそうではないので却下された。結局どこかの沼に放そうという事になった。放してやると、ウナギは濁った水の中でゆっくりと身体をくねらせ、そして見えなくなった。その後は知る由もない。 <<<目次 ▼4月の日日▼ |