論理哲学論考 1-7 5.1-5.6 5.11-5.15
      
5.14 或る文が別の或る文から帰結するならば、あとの文ははじめの文よりも多くを述べ、はじめの文はあとの文よりも僅かしか述べない。
5.141 p から q が帰結し q から p が帰結するならば、それらは同一の文だ。
5.142 トートロジーは総ての文から帰結する。それは何も述べないのだから。
5.143 コントラディクションは、文全般に共通するもの、どんな文もそれを他の一切の文と共有していないものだ。トートロジーは互いに何も共有していないような文の総てに共通するものだ。
コントラディクションは謂わば総ての文の外に消失し、トートロジーは内に消失する。
コントラディクションは文全般の外的境界であり、トートロジーは実体の無い中心だ。