JR113系2000番台(湘南色)

 113系は111系の主電動機の性能を向上させて登場した編成で、近郊形車輌の標準である3扉セミクロスシート車です。主に電動車のみが製造され、制御車(クハ)、附随車(サハ)は111系と共通で111系を名乗っています。111系は出力が101系と同等の100kwであったのに対し、113系では485系や165系などと同等の120kwに引き上げられました。

 JR東日本ではまず東海道本線と横須賀線に登場し、東海道線では緑とオレンジの湘南色に、横須賀線では青とクリームの横須賀色(通称:スカ色)に塗装されました。これらは113系が置き換えることとなった80系や153系の塗装を踏襲したもので、東海道線では以後211系E231系、横須賀線ではE217系にもステンレス車の帯という形で引き継がれています。

 113系には様々な番台が存在し、東海道線では0番台とシートピッチ拡大車である2000番台が、総武快速・横須賀線では地下線乗り入れのための1000番台が使用されてきました。

 しかしながら、永らく近郊形電車の主役をはってきた113系ですが、流石に老朽化は避けられず、E217系の増備の続いた横須賀線からは1999年に完全撤退しました。東海道線でもE231系1000番台の登場によって、引退が間近に迫ってきています。

JR113系平屋建てグリーン車サロ110形1200番台

 東海道線普通電車用の113系には、グリーン車が2両連結されています。当初はともに平屋構造のサロ110形〜サロ113形のいずれか2両が連結されていましたが、JR化後211系にダブルデッカー車が登場したのに合わせて、113系にもダブルデッカーグリーン車サロ124形・125形が増備されました。

 現在残っている平屋グリーン車はサロ110形1200番台のみで、サロ111形、サロ110形(0番台・900番台・1000番台・特急形改造車)、サロ112形、サロ113形は全て早期に全廃されています。これはもともと113系のグリーン車が他形式からの改造がほとんど(サロ111形以外)であったため、老朽化の度合いが異なったからです。

JR113系2階建てグリーン車サロ124形(元横須賀線用)

 2階建てグリーン車であるサロ124形・125形は1990年までにそれぞれ29両と5両が製造されました。124形は車掌室付き、125形はトイレ付きであるほかには違いはありませんが、横須賀線に投入された車輌は荷物スペースのため定員が少し少なくなっています。

 総武快速・横須賀線の車輌はE217系に置き換えられる際にサロ124形のみが東海道に転属となりました。この転属車は従来の車輌と塗り分けが異なっているので、すぐに見分けがつきます。従来車は211系と同じ配色で、転属車は左の写真の通りです。なお、横須賀線時代は上から青・クリーム・青の塗り分けとなっていました。

 また、東海道線の車輌もE231系1000番台による113系の廃車に伴い、サロ124形・サロ125形のみが211系に改造され、宇都宮・高崎線用の1000番台・3000番台編成に転用されることとなりました。

製造初年:1962年(昭和37年) 制御方式:抵抗制御

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